2023/11/16 16:19:44

私について #401(コロナ禍に起こった不正を正す必要性)

2023年11月15日、公正取引委員会が、大手旅行代理店5社の支店に談合の疑いで立ち入り検査に入った。対象となったのは新型コロナ禍で各社が受注を増やしたコロナ関連業務だ。本業の旅行業務に比べて利益率が高く、本業が低迷する中で各社が利益を分け合っていた構図が浮かんできた。緊急性を優先し、発注側のチェックも甘かったことがこのような事態を生んでしまった。


事の顛末は、青森市が2022年度に5回に分けて実施したコロナ患者の移送や接種会場の運営などの業務だ。予約管理や接客関連のノウハウを持った旅行各社はこの時期、競うようにコロナ関連業務を自治体から受注していた。公正取引委員会はこれら業務の受託について独占禁止法の抵触を疑っている。


その他にも近畿日本ツーリストは、各自治体から受託した業務に過大請求していたことが明るみに出て、2023年8月に社長が辞任に追い込まれたのは記憶に新しい。またエイチ・アイ・エス子会社やワールド航空サービスの不正受給も判明している。JTBは2023年3月期の営業損益は336億円の黒字(前の期は48億円の赤字)と旅行需要で盛り上がっていたころの2019年3月期(63億円の黒字)をも大幅に上回る黒字を稼ぎ出した。そしてその営業利益を稼ぎ出したのはまさしくコロナ関連業務であることは火を見るより明らかだ。各社ともコロナ禍で本業である旅行関連業務が振るわなかった分、コロナ関連業務主体の非旅行事業で利益を上げていた。


国や自治体のコロナ関連事業は緊急性が高かったうえ、委託者であるこれら行政側は事業の発注経験が無い一方、受託者である旅行各社の言いなりで業務の発注を行っていた構図が浮かんでくる。会計検査院が11月7日にまとめた2022年度の決算検査報告で、税金の不適切な支出や無駄使いが指摘された事業344件のうち約30%をコロナ関連事業が占めた。


今を生きる人類が経験したことの無かったパンデミック。地球上の多くの人が被った悲劇的な事柄の裏側で、その状況から美味しい思いをした企業・個人が存在するのはある意味世の常なのかもしれない。しかし、不正が発覚したからには不当な利益を得た企業・個人には責任を取ってもらうのは当然のことだろう。






2023/10/25 14:29:56

私について #400(リバースモゲージ)

リバースモーゲージとは、自宅を担保に融資を受けて毎月利息を払い、元本は死後、自宅売却などで返済するローン商品と言える。日本で始まったのは1980年代のことだった。最近このリバースモーゲージを住宅ローンの借り換えに使う人が増えている。金融機関の一部では借り換え利用が20%まで増加した。借り換えは目先の毎月の返済負担を軽くすることが目的だが、利息支払いが長期的に家計を圧迫すれば、新たな老後破綻リスクとなる。


日本経済新聞社が主要金融機関から聞き取って推計した累計融資額は、2023年6月末に2,000億円を超えた。民間と協力して展開する住宅金融支援機構のリバースモーゲージは直近の2023年4月〜6月の利用の22.3%が住宅ローンの借り換えに使われた。同機構とは別の仕組みで展開する会社でも借り換え利用は拡大傾向にある。その背景には老後資金への不安がある。


リバースモーゲージは通常、毎月の返済は利息のみで、元利返済の住宅ローンに比べて表面的な支払い負担は数分の一に軽減されるように感じられるが、毎月の返済額に元本は含まれていない分、返済期間が長引けば住宅ローンより利息総額は膨らむことになる。


総務省の家計調査では住宅・土地関連の負債は世帯主が50代の場合、2022年で1,067万円と6年連続で1,000万円を超えた。60〜70代も600万円前後抱えるなど、今後も高齢期のローン負担は残る公算が大きい。国土交通省の調べでは三大都市圏のマンションを始めて購入する平均年齢は上昇傾向で、2022年度は39.9歳で35年の住宅ローンを組むと完済は70代半ばとなる。借入金額も増加傾向にある。「人生100年」と言われる今日この頃だが、仮に体調悪化などで自宅に住めなくなり、介護施設への入居資金の捻出なども考えなければならない可能性も出てくる。リバースモーゲージに借り換えた家でも売却できるが、希望額が得られるとは限らない。


国内でリバースモーゲージが始まった1980年代の総人口に占める65歳以上の割合は9%代だったが、2023年には29.1%となった。今後高齢者数が増える中でリバースモーゲージの需要の裾野は広がるだろう。長寿化の影響で子世代は自ら住宅を持ち、親の家の相続を必ずしも望まないケースが増えていることもさらなる拡大を促しそうだ。自分を含めた高齢者諸氏においては老後の自宅処分について家族と真剣に議論を交わす必要がありそうだ。






2023/09/21 16:14:45

私について #399(私にとっての神宮外苑)

ほぼ半世紀前、自分が中学校3年生になりそろそろ高校進学のことを考えなければいけない時が来たとき、住まいのあった船橋から黄色い電車(総武線)に乗って国学院高校がある信濃町に行ったことがあった。理由は国学院高校を受けようと思ったので下見に行ったのだが、千葉県民にとって信濃町駅近くの横断歩道橋から見た神宮外苑の景色はとても美しく、崇高な感じがした。歩道橋を降りると「茜」という喫茶店がありそこのカレーが好きだった。今はその喫茶店は無いが、千葉県船橋市に住む普通の15歳の少年にとっては神宮外苑で食べるカレーは特別なものだった。


その神宮外苑が今、再開発の波に押しつぶされそうになっている。2019年夏、新国立競技場が完成した後、今後は神宮球場、秩父宮ラグビー場の位置の入れ替えるなどの案は何気なく耳にしていたものの、今年に入り、その再開発事業の全貌が見えてきた中で聞こえてきたのは、現在の植栽がかなり伐採され、高層ビルを伴った商業施設に変貌していくプロジェクトが明らかになってきた。事業主体の大手不動産会社は「世界に誇れるスポーツクラスターを形成する」「守るべきものは守り、必要な更新は行う」の答弁を繰り返すばかりで、神宮外苑の歴史やこの地がいかに人々に愛されてきたかなど全く意に介すことの無い姿勢を示してきた。


神宮外苑は明治神宮の私有地である。地権者は明治神宮だ。同時に、それを超えた公共空間でもある。そんな場所の再開発はどうあるべきか?国民的な対話が必要だと思うが、事業者は対話は持たず既成事実化を進めようとしている。


50年前から抱き続けてきた私の神宮外苑への思いはともかく、人々に愛され続けてきたこの地が今後も人々に愛される崇高な地であり続けることを強く願う。






会社概要

会社名
グランド・プラン
カナ
グランド プラン
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東京都知事免許(3)0093934
代表者
大原 仁
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1510064
東京都渋谷区上原2丁目17−2アハトインセルン101号
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