2018/04/25 10:28:56

私について #290 (通勤事情の変遷)

「通勤」族を卒業して早7年目。あの、人で多く溢れている通勤電車に乗って勤め先に通っていた時のことを思い出すと、今は隔世の感がある。日本の大都市圏においては、公共交通機関の利便性の向上は過去から現在にかけて、継続的に行われているわけだが、通勤時間帯においての混雑はなかなか簡単には解消されることはないようだ。


東京・大阪・名古屋など大都市圏を地盤とする大手私鉄16社の一人あたりの定期券利用額は過去10年で全社が下落し、平均単価は4%の下落とのこと。距離に連動する定期券単価の下落は、都心から郊外へと人口が移動した「ドーナツ化現象」が過去のものとなった事を映し出している。定期収入額をのべ利用者数で割って単価を算出すると、各社の定期収入額自体は増加傾向だが、単価下落が目立つ。定期券料金は乗車距離にほぼ比例するため、単価下落は通勤距離が全体として短くなったことの証左となる。


ここ数年で団塊の世代や自分の年代を含め比較的郊外に大きめの戸建てやマンション等の住居を所有していた世代が通勤族を卒業しそれに代わり、若い世代のご夫婦や独身者が、多少狭くても通勤に時間をかける必要が無い大都市部に居住する傾向が強くなってきたことが主な原因と思われる。首都圏1都3県の生産年齢人口(15〜64歳)は東京都で過去10年に19万人増加したのに対し、周辺地域は95万人減少した。


30年程前には「新幹線通勤」がある意味もてはやされた時期があったが、今となってはそれも遠い昔の出来事になってしまった。それは今の若い世代にはとても考えられない出来事だろう。確かに、自分の仕事においても、若い世代の人達が求める住宅は都心のマンションが多く、自分たちが若いころには倉庫街や問屋街であった地域は、今ではちょっとおしゃれなエリアに変身し、たくさんのマンションが建設されていることが多い。一方、親の住んでいた郊外の一戸建てを相続した中年以上のお客様は、その一戸建てを売却しようとするなど、まさに郊外から都心部への移行が進んでいる。今後もこの動きは続くことは間違いないだろう。





2018/04/20 13:30:44

私について #289 (訪日外国人旅行者増加の裏で起こっていること)

2017年の訪日外国人旅行者は2,869万人、政府が2020年に4,000万人の目標を掲げているのは周知の事実だ。それが達成できるか否かはさておき、ここ数年の訪日外国人旅行者が増える中、急病になった外国人が病院で治療を受けた後、治療費を支払わないケースが多発しているとのこと。厚生労働省の調査によれば、外国人を受け入れたことのある医療機関のうち、30%が不払いの経験があったとのこと。不払いの一因として、治療を受けた旅行者が旅行保険に加入しておらず、自己負担が多い場合などは支払えず、医療機関が泣き寝入りするケースがほとんどだ。あまり独りよがりな事を言うのは良くないかもしれないが、日本人が旅行する場合は旅行保険に加入するケースの方が多いと思うが、特にアジアからの旅行者は、海外で病気やけがをするリスクについてあまり敏感ではないようだ。自分は旅行好きだから海外での医療費については、もし病院で治療を受けることになるととてつもない費用がかかることは、若いころから聞かされていたため、その都度保険加入することは忘れずにやっていたが、世界的にみると必ずしもそうではないようだ。


2008年7月、家内と当時まだ安全だったシリア・ヨルダンを旅したとき、家内が下痢の症状を訴えたことがあった。そのことを現地人のツアーガイドとドライバーに話したら、それはいけないと言うことで病院に連れて行かれてしまった。日本人的には「正露丸」を飲めば治ると思っていたが、領土のほとんどが乾燥した砂漠地帯である両国においては、下痢の症状は脱水症状を増幅させるため、いい加減な治療ではいけない、とのことだった。そうであればと言うことで、二人に任せて病院に連れて行ってもらうことにした一方、心の中ではいくら請求されるのだろうか、との思いが巡った。病院に到着し診療室で問診を受け、先生から点滴が必要と言うことで、そこで2時間程点滴を受けた時は、これは数十万単位の請求になることを覚悟した。その後家内の顔色が良くなり、いざ支払を済ませようと窓口に行ったら請求額が20米ドルと言うことで少しあっけにとられた。心のわだかまりが一気に抜け落ち、なんか晴れやかな気持ちになったのを覚えている。診療後ガイドとドライバーにこちらの本音を伝えたところ、今行った病院はヨルダン女王の病院なので、ヨルダン人女性であればほとんど費用はタダみたいだとのこと。20米ドル取られたのは、自分たちが外国人であったからじゃないか、と言われ、彼らからするとなんで請求されたのだろうと言う感じだった。自分達からしたら、そんな金額で手厚い治療を施してくれてほんとに有難かった。結局旅行保険を使うことなく全て上手くいってしまった。


自分達がヨルダンで経験したことは例外的に運の良かった出来事だが、訪日外国人旅行者が急増している日本の医療機関にとっては、自治体・日本政府を含め真剣に対策を練らなければいけない事態だ。多くの病院が現金決済である日本の医療機関の体質を含め、一刻も早く現状を変える手立てを講じる必要がある。








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