2022/05/18 10:06:31

私について #377(物価の決まり方)

パンデミックという、今生きているほとんどの人が全く経験したことのない事態を目の当たりにしたここ数年。世界中の人たちの社会・経済活動は厳しく制限を受け、法人および個人において、ビジネスや海外旅行はおろか国内旅行もできず、一時は自宅からの外出も制限されたような時期があったが、ここにきてようやくその状態から脱することができるようになってきた今日この頃。しかし、そんな中、今年2月のロシアによるウクライナ侵攻によって、感染症対策により今まで制限されたきた社会・経済活動をもとに戻そうとする世界の流れは、再び大きな制限を受けることとなった。


ロシア、ウクライナはいずれも農業大国。小麦の輸出量においては、両国の世界シェアは30%弱、ウクライナのとうもろこし輸出量の世界シェアは16%である。また、ロシアは原油生産においては世界第3位の原油大国でもあり、その輸出先の50%強は欧州向けであった。ところが、ウクライナ侵攻の制裁措置として農産物・地下資源ともにロシアとの取引は大幅に制限されることとなり、ロシアはもとよりロシアから物品を輸入していた国々にとっても、ロシアに代わる調達先を確保する必要性が生じ大混乱が生じることとなった。


パンデミック、ロシアのウクライナ侵攻で農産物、資源のみならず、加工品も含め、我々消費者が購入する際の価格が上昇する動きが顕著となってきた。そんな中、日本ではガソリン・灯油・軽油・重油など燃料価格において政府の意図的な価格付けがなされていることが気にかかる。4月26日、政府の総合緊急対策決定を受け、ガソリン補助金の上限が35円に引き上げられガソリンに関しては基準価格を172円に抑える方針とした。一消費者としては原油価格が高止まりしているのに、この程度の価格で給油できるのはありがたいが、よくよく考えてみると、なぜ燃料費上昇にだけ税金を投入して価格を抑えるのか疑問が残る。1980年代後半、米国のガソリン価格は1ガロン(3.8リットル)1ドル弱だった。当時のドル・円が125〜130円くらいだったので1リットル35円ほどだった。日本のガソリン価格は130円程度だったので日本のガソリン価格は米国の3.7倍ほどだった。それは米国で暮らし始めた自分にとってかなり衝撃的な事実だった。しかし、現在の米国のガソリン価格は1ガロン4.374ドル、円換算で569円、つまり1リットル当たり150円だ。日本のそれとそれほど変わらない。米国は車社会で一家族で数台所有する場合がほとんどだが、今の価格を考えると家計の燃料費の大きさが想像できる。ちなみに、米国は原油産出量世界一である一方、日本はほぼ100%輸入に頼っている国だ。原油は戦略的資源で単純に消費者への価格は決められないのは理解できるが、燃料価格を抑えるために税金を投入し続ける日本政府のやり方には疑問が残る。物価は需給で決まるという、基本的な原理原則は無視され、もっと言うなら少なくとも税金を投入するなら国民に公平に配分するべきだし、ガソリン価格が上がれば消費者の節約志向も高まると思うし。パンデミック対応で莫大な税金を使い、インフレ対策でまた税金を大量投入し、その資金調達は赤字国債を発行するという、まさに数十年前の日本政府に戻ってしまった。財政規律という言葉はどこへ行ってしまったのか?






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