風俗営業についての一考察
「風俗営業」と聞いて、皆さんはなにを想像されるでしょうか。行政書士として風俗営業に長年関わってきた私としては、世間の認識を改める必要があると感じています。「風俗」とは社会生活のしきたりを指すのであって、いわゆる「性風俗」のみをさすものではありません。いや、もちろんそれも含みますが。
日本の風俗店は、大きく二つに分かれます。@スナックやキャバクラといった接待飲食店などと、A性風俗店です。その歴史的な成り立ちに鑑みると、風俗を一言でいえば、「人間が文化的な生活をする限り無くならない職業である。」ということに尽きます。現在、「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律」によって規制されている業界ですが、その規制の仕方について知れば、その意味が分かります。実は、@は許可制で、Aは届出制です。つまり、スナックなどにくらべて、特にデリヘルなどの無店舗型にいたっては、届出を出すだけで始められます。これは、違法となったときに摘発しやすくすることが目的ではありますが、事業開始時の規制を緩くすることで、その実態を警察が把握しやすくするという制度になっているという点がポイントです。それはなぜか!その理由は、いくら規制を強めても地下に潜るだけで決して無くならない業種であることが歴史的に明らかだからです!
コロナ対策給付金も対象外となるなど、なにかと職業差別をうける性風俗店ですが、適法とされている業種であることを考えると、「風俗」という言葉に対する大いなる偏見に原因があるのではないのでしょうか。警察関係者がよく言う「健全な風俗営業」という言葉に違和感を感じてしまうのも、私たちの心の中にある偏見が原因でありましょう。「風俗」に代わる、新しい言葉が必要です。「風俗専門の行政書士」と呼ばれることも多いので、真剣に悩んでいます。
もう少し実態調査が必要ですね。(^^)
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