世界の神話の中のふくろう
ミネルヴァ社の「ミネルヴァ」は、ローマ神話に登場する女神ミネルヴァに由来します。知恵、芸術、工芸、戦略を司る女神で、ギリシャ神話ではアテーナーとも呼ばれています。女神の肩には知性の象徴としてフクロウが止まっていますが、世界にはフクロウにまつわる神話や言い伝えがたくさんあります。 そんな世界の神話の中のフクロウを集めてみました。
アフガニスタン フクロウは人間に火をおこすための鉄と火打石を与え、お返しに人間はフクロウに羽毛を与えたと言われている。
東アフリカ スワヒリ族のあいだでフクロウは子供に病をもたらすと言われている。
南部アフリカ ズールーの人びとのあいだでフクロウは妖術師の鳥として知られている。
西アフリカ フクロウは妖術師の使者。鳴き声は不吉なことの前触れ。
マダガスカル フクロウは魔女の仲間であり、夜になると墓の上で魔女たちと踊る。
サモア フクロウはヒトの祖先。
イラン 不幸を運んで来ると言われている。
マレー半島 フクロウは新生児を食べると言われている。
インド 発作の子供がフクロウの目のスープで治るという話がある。またヒンドゥーの女神ラクシュミーはフクロウに乗って家々をまわり幸運をもたらすと言われている。
スリランカ フクロウはコウモリと結婚している。
モンゴル 埋葬人は悪霊を追い払うためにフクロウの皮をつるす。
内モンゴル フクロウは夜家の中に入り人間の爪を収集する。
スウェーデン フクロウは魔女に関係する。
フランス ワインの名産地ボルドーではフクロウの呪いを避けるため、火に塩を投げ入れる。またブルターニュ地方では、収穫に向かう途中で見たフクロウは豊作のしるしと言われる。
メキシコ フクロウは北風を作り、南風は蝶によって作られると言われている。またフクロウは黄泉の国の使いとも呼ばれていた。フクロウは生者の世界と死者の世界の間を行き来する。
ニュージーランド マオリの人びとにとってフクロウは不吉な鳥。
オーストラリア アボリジニの人びとにとってコウモリは男性の魂の象徴であり、フクロウは女性の魂の象徴である。したがって姉妹がいたら彼女はフクロウでありフクロウは姉妹である。
イギリス ウェールズ地方では妊娠している女性が夜フクロウの鳴き声を聞くと、生まれてくる子が祝福されるという言い伝えがある。
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まだまだ膨大な言い伝えがあるのですが、なんだかオドロオドロしいのが多いですね。(ふくろうって幸運の象徴じゃなかったっけ?)
ちなみにキリスト教、ユダヤ教、イスラム教におけるフクロウの扱いはどうかというと、これがやっぱり「不浄」な生き物なんですね。旧約聖書に『レビ記』という書がありますが、そのなかで「鳥類のうちで汚らわしいもの」としてあげられているのがふくろうなどの猛禽類です。
最後に神話ではありませんが、ちょっとカッコイイ言葉をひとつ。ドイツの哲学者ヘーゲルの有名な一節です。
ミネルヴァの梟は黄昏時に飛び立つ
*この記事は主に次のサイトを参考にしました。World Owl Mythology(Compiled by Deane Lewis)http://www.owlpages.com
コメント一覧*
No.11709 モリフクロウさんのコメント 2015/02/23 21:16:30
まだまだいろんな言い伝えがあるみたいですよ。
人間みたいに豊かな表情と、大きさ、獰猛さ、賢さから人間のイマジネーションを喚起し続けるのかもしれませんね。
No.11704 盆和田さんのコメント 2015/02/23 4:22:56
コメント本文私もふくろうは幸運の象徴というイメージしかなかったのでこんなに怖い言い伝えが世界的にも多いというのは驚きでした。マレー半島で「フクロウは新生児を食べる」かと思えばイギリスでは妊娠中に泣き声を聞くとお腹の赤ちゃんが祝福されるのね・・・しかし面白いですね。ふくろう、奥が深い。
No.11699 ひでくまさんのコメント 2015/02/22 1:37:27
今話題の「ふくろうカフェ」ってどんなところ?おすすめ店舗5選をご紹介♪ | キナリノ https://kinarino.jp/cat8/3805
No.11692 モリフクロウさんのコメント 2015/02/21 1:19:29
ふくろうカフェ、ですか?
No.11687 ひでくまさんのコメント 2015/02/19 23:15:46
ふくろうカフェがほんのちょっと流行っていた気がします。
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