2015/04/19 10:35:38

アール不動産屋連載小説11


「じゃあ、神谷さんに任せます」


俺は自分でも呆れるくらいにあっさりと神谷さんに頼んでいた。


それから3日後の昼過ぎに通称猫女性が店にやってきた。女性は俺の顔を見るなり不安げな顔で切り出した。「ほんとに部屋が見つかったの?もう時間がないのよ」


「ご安心ください」


カウンターの奥から神谷さんの低音の声が響いた。神谷さんはいつものセーターにスカートといったラフな服装とは違い、今日は上下紺のスーツでビシッときめていた。


「こちらへどうぞ」神谷さんは女性を応接室へと案内した。


「藤森さん、お茶をお願いします」


「あ、はい」


俺はまるで女社長に指示されたかのようにテキパキと準備をして応接室にお茶を運んだ。女同士ーという神谷さんの言葉が頭に浮かび、俺はそそくさと応接室を後にした。なんだか仲間ハズレにされたような気がして少し寂しい気持ちになった。



それから20分くらいたった頃に応接室から女性の笑い声が聞こえてきた。始終、俺の前では不機嫌だったあの猫女性の笑い声なんだろうか?俺は不思議な気持ちになった。それとも神谷さんの笑い声なんだろうか?そう言えば今まで、神谷さんの笑い声をまともに聞いたことがなかったことに気づいた。耳をよくすますと2人で交互に笑っていた。猫女性を神谷さんに任せて正解だったと内心ホッとした。それから10分くらい経つと、2人が応接室から出てきた。猫女性は来た時とは別人のように明るい表情をしていた。


「今から裏のアパートまでお客様をご案内してきます」


神谷さんはいつものクールな顔で言った。


「はい、お願いします」


裏のアパートは、すでに大家さんが実家の島国に帰ってしまい、うちの店で鍵を預かっていると聞いていた。それにしても神谷さんはいったいどんなトークでを猫女性を説得したのだろうか?俺は店から出ていく2人の後ろ姿をじっと見送りながら複雑な気持ちでいっぱいになった


続く・・・


連載小説12へ ↓ ↓ ↓


https://www.zennichi.net/b/rmansion/index.asp?SC=2015/04/01&mnd=20150426



他のブログはこちら ↓ ↓ ↓


http://www.r-group.co.jp/category/blog-s/


<共有持分買い取り 事故物件買い取り 相続コンサルタント 任意売却>  アール・マンション販売株式会社









会社概要

会社名
アール・マンション販売(株)
カナ
アールマンションハンバイ
免許番号
東京都知事免許(6)77529
代表者
森田 敬
所在地
1620065
東京都新宿区住吉町4−6ニュー岡本ビル6階
TEL
代表:03-5367-6667
FAX
代表:03-5367-6668
営業時間
10:00〜18:00
定休日
年末年始
最寄駅
都営新宿線曙橋
徒歩1分
メール送信はこちら
ログイン
 


このページのトップへ