2016/02/19 8:52:18

風の余話

 藤沢周平の歴史小説「白き瓶」を読む。歌人長塚節の伝記である。37歳という若さで肺結核、咽頭結核を発病し亡くなった明治、大正初期に活躍した茨城県出身の歌人。小説も朝日新聞紙上に連載となった「土」が代表作である。


 豪農の家に生まれ、正岡子規に師事、「ホトトギス」誌上で活躍。旅と歌をこよなく愛した人であった。


 長塚節が群馬県を旅して、六合村から六合村長平の村人の案内で、長野県の秋山郷、切明温泉に歩いて越えたという。若さもあるのであろうが、今では考えられないような健脚でもあった。


 晩年は病に侵されながらも作歌を続け、旅を続けた人であった。生涯独身であった。「アララギ」同人 島木赤彦は「長塚さんは逝かれました。37歳の短生涯に妻子も無くして行かれました。人間の世の中に清痩鶴の如く住んで弧り長く逝かれました」と弔辞を書いた。


 明治、大正初期の歌人たちの青春群像も見えてくる作品でもある。


 藤沢氏のこの小説は、本当に良く資料を根気よく調査し、事細かに記している。読む方も根気のいる小説である。しかし、それによって浮かび上がる人物像が、作者と長塚節が重なって見えてくるような感じもした。






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