配偶者居住権 つづき‼
前回の続きです。お手数ですが前回を読み直してください。
自宅に住み続けたい配偶者が自宅を所有権で相続した場合、他の相続財産である預金を十分に相続できないと、相続後の生活に困窮する可能性があるという内容でした。
それを防止する目的で「配偶者居住権」が創設されました。配偶者居住権は下図のように想定され、預金をある程度確保できるような仕組みとなっています。
亡くなった父の相続人が母と子1人だった場合、法定相続分は母1/2,子1/2となります。
計算上、母が自宅(所有権評価額3000万円)を相続すると、預金(3000万円)は全額子供が相続することになります。
母は自宅に住み続けられても、預金が全く相続できないと生活費に不安が残ります。
そこで自宅完全所有権を、自宅に住み続けられる権利(配偶者居住権)と負担付所有権に分けます。価格はそれぞれ1500万円です。
母は生きてる間居住できれば良いので所有権で相続する必要はありません。配偶者居住権は登記もでき第三者にも対抗できます。
配偶者居住権であれば相続評価額は1500万円です。母の法定相続分は3000万円分です。残り1500万円分です。
つまり預金3000万円のうち1500万円を相続できることになります。これで相続後の生活もある程度安心できることになるでしょうというのが政府・行政の判断です。
ではどんな相続人のときこの制度が効力は持つのでしょうか?母子が普通に仲良ければ、自宅も預金も「母さんどうぞ」となるでしょう。もちろん私もその一人です。
効力を発揮する場合の事例は事例は次回とします。これからお風呂に入って「相棒元旦スペシャル」を見るので!
配偶者居住権‼
先日「配偶者居住権」について相談をいただきました。この制度ですが、令和2年は189件、令和3年は880件と利用者が増えてきています。
どのようなときに利用したらよいか説明したいと思います。事例を紹介します。
被相続人(父)が亡くなりました。相続財産は自宅(評価額:3000万円)と預金(3000万円)でした。相続人は母と子供1人とします。
子どもは既に独立し所帯を持っています。法定相続分で遺産を分けると、母が1/2(3000万円分)、子供1/2(3000万円分)となります。
母はそのまま自宅(評価額:3000万円)に住み続けたいでしょうから家を相続します。そうなると預金3000万円が全部子供に行くことになります。
母は預金を相続できなくなり、年金とへそくりくらいしかお金がありません。足りなければパートに出ることになります。
こういう状態を防ぐために「配偶者居住権」制度ができました。年越しそばとお餅を食べるので続きは次回にします。
ネットバンキング‼
先々週末急遽ネットバンキングを申し込みました。アナログな私はネット取引が信用できず、さらに手続きが面倒くさいということもあり、昔ながらの通帳とカードで口座管理してました。特に不便に思わなかったということもあります。
ではなぜ申し込んだかかというと、昨日行われたマンションの残金決済・引渡が金融機関以外の場所で行われたからです。
買主様は不動産会社でした。不動産会社は通常金融機関から融資を受けて物件を購入します。
その場合残金決済場所は融資する金融機関で行われることが多いです。流れとしては、融資金額が買主・不動産会社の口座に入り、その口座から売主の口座に売買残金が振り込まれ、弊社の口座にも仲介手数料が振り込まれます。
振込手続きされると金融機関から振込書を受領します。入金確認に時間がかかることはありますが、まず間違いなく振り込まれます。
ところが今回取引の買主である不動産会社は融資を受けずキャッシュで購入するというのです。某大企業が親会社ということもあるでしょう。億に近い金額でしたが関係ないようです。
というわけで、決済場所は銀行ではなく買主様の本社となりました。そうなると銀行から振込書は受領できません。銀行の支店に行って通帳記載から入金確認するしかありません。
ちなみに売主様はネットバンキングを取引されてます。スマホからその場で売買残代金の入金確認が可能です。
私だけ駅前の支店に行って入金確認なんてみっともないことはできないと思い、ネット取引を行うことにしました。
PCでチャチャっと手続きすればすぐに利用できると思いきや、なんと必要書類を郵送したりしなければならず、書類到達後10日から2週間かかるというのです。
私が登録したのは決済日の10日前の金曜日です。登録後銀行に電話し、何とか再来週月曜日朝から利用可能にしてほしいとお願いしました。しかし銀行担当者は当然のごとくマニュアル通りの回答です。
私は誠意を示すべく速達郵送にし、さらに期日の間に合わないと大変なことになるという手紙を添えて発送しました。
翌週月曜日に銀行から電話が来ました。「事情は分かりましたが通常10日から2週間かかります」という銀行ノーリスクの内容でした。まぁ予想通りです。
私は自分の準備のお粗末さを呪いました。決済日に買主の担当者が発するであろう、「今仲介料振込みました」という言葉を信じ、入金確認しないで帰ろうと決心しました。
ところがなんと、決済日の3日前(金曜日)に銀行から封書が届きました。開けるとネット取引開始に必要なIDや利用ガイド等が入ってました。
私はすぐにPCから手続きしました。30分後にはスマホでも口座照会ができるようになりました。
私は銀行に感謝しました。わずか5日程度で利用できるようにしてくれました。決済当日、「今時常識だろう」という態度でスマホから入金確認しました。
あきらめないでやってみるもんだなぁと改めて思いました。サッカーW杯での「三苫の1mm」に匹敵する出来事でした。
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