相続1口メモ‼
【相続1口メモ】
ご相談を受けました土地を調査したところ、隣地が本件相談対象地の一部を使用し建築確認申請を行っている可能性が見つかりました。
過去に同様のケースに遭遇したことがありましたので、どういう問題が起こるか図の例で説明します。
対象地の一部である赤い3角形の部分が、隣地建物建築確認申請の敷地として使用されたとします。
対象地所有者がこのことを知らずに売却し、購入者が建築確認を申請したとき、役所に指摘され発覚することがあります。
つまり、購入者が長時間打ち合わせをしてやっと家のプランが決まり建築確認申請をしたところ、役所から「このプランだと建ぺい率・容積率オーバーになるので確認は下せません」となってしまう場合があるわけです。(まぁ仲介不動産会社や設計士、ハウスメーカーがきちんと調査すれば最初に判明すると思いますが…・。・)
このケースで、「役所が隣地と対象地の調査が不十分のまま隣地建物の確認を下したのが悪い」といって役所に対応を求めても無駄です。無断で人の土地を使って確認申請したとしても、違法建築でなければ申請を受け付け確認を下します。
「あくまでも当事者の問題だから双方で解決するように」といって終わりです。役所ってそういうところです。
こうなると元の所有者と購入者との間で大きなトラブルとなります。違約金、損害賠償、解約といった争いになるでしょう。
また、隣地が何十年も前から対象地の一部を自分の土地として占有使用している場合があります。建築確認の変更を隣地の求めると、「すでに時効取得していてここは自分の土地だ」と主張されることもあり得ます。
時効は善意無過失で10年、悪意があっても平穏かつ公然と占有していた場合20年で成立します。
親の自宅を相続し、空き家となった不動産をいざ売却しようしたときいろいろ問題点が見つかり、想定していたスケジュールで売却できなくなることもあります。
売却前ならまだ良いですが、売却後に発覚し大問題になることもあります。相続する前から少しずつでも調査しておいた方が無難です。
ピンチはチャンス‼
昨日は宅地建物取引士証更新の法定講習会でした。弁護士、税理士の先生から様々なトラブル判決事例の説明を受け大変ためになりました。
私自身ここ数年トラブルがなくホッとしていますが、過去には弁護士さんに相談したこともあります。また大手仲介会社と関わった取引で、その会社の担当者が間違った説明をしたため、大手仲介会社がお客様から、契約した土地・建物を買い取ったこともありました。
不動産を販売していると、避けられないのが近隣からの苦情トラブルです。古家の解体工事、建物新築工事、区分マンションのリフォーム・リノベーション工事などでは、工事中音やホコリのこと、時間帯や工事する曜日等々でクレームが入ります。
クレームを受けるのは嫌なものなので、連絡したりお詫びに行くの億劫になります。そして対応を先延ばしにするとさらに大きな炎になります。
しかしある時クレームはチャンスだ!と思うようになりました。ある方のクレームにスムーズな対応ができた結果、その方から仕事をいただきました。
それ以来クレームがあると、『とにかく早く連絡を取り、反論せず最後まで話を聞き、対処方法を素早く決定し連絡する。対処が始まってからも小まめに連絡し不満がないか常に確認する』いったことを徹底しました。
今でもとてもよく覚えているのが、大田区の超スーパー高級住宅地(わかりますよね?)でのクレームです。土地を販売するにあたり、販売土地と隣地と段差があるため擁壁を造ることになりました。
工事が始まると、現場の職人さんが隣地に無断で資材を置いたり隣地で休憩したりしたため、大変な剣幕で苦情が入りました。
すぐに現地に行ってお詫びし、工事業者にも注意しましたがその後も同じようなことが何度か続きました。
そのうち何から何まで気に入らないといった状態になり、一か月位ほぼ毎日数時間怒られ続けました。
途中私もさすがに落ち込み、この先どうなるんだろうと気が滅入りましたが、工事が終わる頃になると世間話も出来るようになりました。販売が終わって挨拶に伺った時には「いろいろ悪かったね」といったニュアンスのことも言われホッとしました。
2,3か月後その方から連絡があり、「銀座に中古ビルを持っているんだけど売ってくれないか」と言われました。まさかの展開に感激し、すぐ委任を受け売却もスムーズにできました。大変なトラブルがとても大きな仕事に結びつき、改めて「ピンチはチャンス」と確信しました。
【相続1口メモ】
ある程度の広さの土地を所有されてる方の中には、将来相続が発生した時、相続人の子供が分割しやすいようにしておきたいと準備される方もいらっしゃいます。
つまり一筆の土地を数筆に分筆できるようにしておくということです。そのためにはまず隣地の方と境界確認書を交わし、境界標を設置する必要があります。
しかし思わぬ事態により境界確認ができないことがあります。事例を紹介します。
ある親が子A,Bのために自宅土地の測量・分筆を土地家屋調査士に依頼しました。
土地は私道に接しており、測量・分筆するには私道所有者からも境界確認の署名・押印を取らなくてはなりません。
しかし登記簿記載の所有者が古いままの場合、今どこにいるか全く辿れない場合があります。Zさんもそういう状態でした。
こういう場合どうするか? 利害関係者として、裁判所に不在者財産管理人を申請し選任してもらいます。そして選任された財産管理人に境界の承諾をもらい分筆することになります。
ただ申し立てから選任となるとかなり時間がかかります。相続発生前にこういった準備をしておけば問題ないですが、発生してからこういう問題を初めて知ると厄介です。
例えば相続発生後相続財産評価をしたところ相続税が多額になり、土地の一部を売らないと相続税が払えないといった場合もあるでしょう。
いざ売ろうと慌てて測量に入ったところ、隣地や私道所有者が見つからないとなると相続税の納期までに売却できないこともあり得ます。そうなると土地を担保に銀行から借りるなど余計な経費も掛かってしまうことにもなります。
いろいろなケースを想定して、自分土地や隣地がどういう状態か把握し、いざというとき慌てないよう準備しておきましょう。
アブナイ業者‼
日米でプロ野球が開幕し約1週間が過ぎました。
大谷選手は今日もホームランを打ちました。すごい選手ですね。メジャーに行って投げては160キロ、打っては2試合連続ホームラン。自分が生きてる間にこんな選手を見れるとは思いませんでした。
さてここのところでお二人の方から、「この仲介業者大丈夫⁇」的なご相談を受けました。
お一人目のXさんは投資用目的の不動産を求めてY不動産に行かれました。なかなか良いと感じた区分マンションがあり見に行かれました。気に入ったことを伝えると「すぐ申し込みを書いてください」とY不動産の担当者に言われました。
良い物件はすぐに押さえないと他から申し込みが入ってしまうのでそれは仕方ないと思います。話はトントン拍子に進み契約日も決まりました。
契約日当日のお昼頃Xさんが弊社に来られ、「夕方から契約なんですが、物件についてよく知らないまま契約して大丈夫でしょうか?」と不安げに聞かれました。
重要なことを申込から契約日まで何も説明しないなんてことは今どきないので、私はXさんにいくつか質問しました。
売主(所有者)の情報、土地の面積や持分、管理内容、積立金の額や管理費等滞納の有無、大規模修繕履歴や今後の予定などなどです。
これらのことについてY不動産から1つも説明がなく、資料ももらってないということです。Xさんはその場でY不動産の担当者に電話されました。ここでさらに驚きがありました。Y不動産の担当者が言うには、「自分も売主側の不動産会社から資料をもらってないので何も知らない」と平然と答えたそうです。
私は一瞬固まってしまいました。まだまだこういう不動産会社があるんですね。Xさんには、きちんと説明があるまで契約は延期した方がよいと言いました。
後日Xさんから連絡があり、なんとか契約されたそうです。案の定建築確認申請時と現況が変わっているという問題があったそうです。妙に安いなと私も思いましたのでなるほどと納得しました。
もう一方の話も同様な感じです。後日またご紹介します。
【相続1口メモ】
一筆の相続した土地を共有で所有されてる方からご相談がありました。例えばAさんとBさんが1/2ずつ下図のように土地を所有してるとします。
二人とも土地を売却する考えでしたが、ここにきてAさんは家を建てて住みたくなりました。現状のまま家を建てるのはBさんも納得しないでしょうし、もし建てたとしても後々面倒です。
ではどうするかというと、現物分割という方法があります。土地を下図のように分けてAさん、Bさんの単独所有とします。
Bさんとの協議がまとまらない場合でも、裁判所に分割請求すればほぼ認められます。持分に応じた分割がされれば取得税や贈与税もかかりません。ただし登録免許税はかかります。
上記のように分けやすい土地は良いですが、下図のような間口が狭く奥が長い土地もあります。
こういう分け方をすると家が建てにくいことにもなります。
仕方ないので1つ旗竿地にします。
当然B地は価値が低いので、A,B等価にするには面積調整が必要となります。こういう場合AとBが等価になるという資料を用意する必要も出てきます。鑑定士に依頼まではしなくてよいと思いますが、不動産業者による簡易な査定書くらいは添付しなければならないこともあります。
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