修繕義務‼
アパートのオーナー様からご相談がありました。アパートが、大家さんと入居者どちらの責任でもない自然災害(台風・地震・大雨)で修理が必要となった場合、修理義務はどうなるのかというものです。
これはもう大家さんには不運ですが、賃貸人に修理義務があります。雨漏れ、床上浸水、電柱が倒れてきて外壁や窓が壊れた等々いろいろ被害が出ることもあるでしょうが、すべて大家さんの負担で直す必要があります。
では倒壊寸前になるなど、修理するには莫大な費用(新築と同様)がかかる場合はどうでしょう? ここまでになると、賃貸人には修理義務はないとされています。
ただし建物に大きな被害が発生し、入居者が大怪我などした場合損害賠償を請求される場合があります。周りの建物はピンピンしてるのに、そのアパートだけ倒れて入居者に損害がでると維持管理責任を問われることもあります。定期的な検査やリフォームを施すことが大切です。
次に借地上の建物を貸してる場合です。
YさんはXさんから借りてる土地に建物を建て、Aさんに貸しています。ある日大きな台風被害にあい、外壁や屋根の大規模な修理が必要となりました。
建物工事に取り掛かったところ、XさんがYさんのところに来て借地の契約書突きつけました。契約書には「増改築禁止」の特約がありました。
Xさんとしては、この大規模修理が特約違反だと主張したいのです。「こんなときに何言ってんだ」というのが一般的な感情だと思いますが、法律的にはXさんの主張が認められる可能性もあるのです。
Xさんが正しいと判断されると、最悪借地契約を解除される場合もあります。ですので工事を開始する前に、Xさんの承諾を求めるのが賢明です。Xさんが承諾しない場合は裁判所に許可を得てください。
どちらにしても承諾料が発生するでしょう。借地人の方はこういうリスクがあることを心得ておいてください。
続きのつづき‼
続きのつづきです。3回目となります。興味のある方は前々回からご覧ください。
まずおさらいします。
Aさんの財産は、現金15000万円と自宅財産5000万円の合計2億です。相続対策として、価格6000万円のアパートを2棟購入しました。アパートの評価額は6000万円(1棟3000万円)です。
よってAさんの財産は、現金3000万円、自宅5000万円、アパート6000万円となり、合計14000万円まで減りました。
その結果Aさんの相続が発生した場合、Bさん、Cさんの相続税はそれぞれ1670万円⇒780万円になり、890万円(2人で1780万円)節税となります。
今回はさらに節税できるケースを紹介します。「貸付事業用宅地等の小規模宅地特例」が適用される場合です。
アパートの敷地が200u(合計)以内であれば敷地評価額が50%減となる特例です。
事例アパートの建物評価額(貸家評価後)が1000万円、土地評価額(貸家建付地評価後)が2000万円とします。アパートの敷地面積が2棟とも100uとすると、合計200uですので小規模宅地の特例が適用できます。
そうすると、1棟のアパート評価額は
2000万円(土地評価額)×50%+1000万円(建物評価額)=2000万円
アパート1棟の全体評価額が、3000万円⇒2000万円に下がりました。2棟で6000万円⇒4000万円となりました。
Aさんの相続財産は、現金3000万円、自宅5000万円、アパート2棟4000万円、合計12000万円となりました。
この場合のBさん、Cさんの相続税は
(12000万円−4200万円)/2×20%−200万円=580万円
なりました。アパート購入前に計算した相続税(1人当たり)は1670万円でしたから、なんと1090万円も減少しました。大きな節税です。
前回説明しました、アパートの相続対策後利回りも7.04%から7.33%に上がりました。(お手数ですが前回ブログをご覧ください)
とまぁ現金財産を賃貸用不動産に変えた場合、大きな節税となる可能性が生まれます。ただ前回書いたように、将来も価値が衰えない賃貸用不動産を購入することが何より重要です。これだけは忘れないでください。
前回続き‼
前回の続きです。興味ある方は前回ブログをご覧ください。
Aさんは、Aさんの相続発生後に備え、B・Cさんの相続税節税のためにアパートを2棟購入しました。
その結果、計算上相続税が1人当たり1670万円⇒780万円と、890万円も減額することになりました。メデタシ メデタシ❕
ドラマではこれでハッピーエンドということになりますが、現実は違います。相続人はアパート経営というリスクを背負わなければなりません。
相続税は減ったけど劣悪アパートが残ったということになれば、相続人はたまったものではありません。節税にならなくても現金の方がよかったということも多々あります。
ですので物件選定がとても重要になってきます。立地、建物の質、入居者の内容、各室の賃料、利回り等々入念に確認・調査しなければなりません。
そして優良物件が購入出来て初めて節税も成功と言えます。節税大変です。かなりうんざりされた方もいらっしゃるでしょう。
次に相続税対策後利回りというのを今回の事例で説明したいと思います。Aさんは12000万円(1棟6000万円)でアパートを購入しました。このアパートの賃料収入が720万円(1棟360万円)だったとします。このアパートの表面利回りは
720万円/12000万円=6%(表面利回)
となります。普通の不動産投資の場合、この利回りが購入可否判断の1つとなります。
Aさんのケースでは、アパートを購入した事により相続税が1780万円(2人分)減額(相続発生後ですが)となります。
つまり投資金額は、12000万円(アパート代金)から1780万円(相続税減額分)を差し引いた金額が実際の投資額という考え方です。この場合の表面利回りは
720万円/(12000万円−1780万円)=7.04%(対策後表面利回り)
となり利回りがアップします。
多少強引な考え方ですが、「いい物件なんだけど、ちょっと利回りが低いなぁ」と迷ったときに、「節税額も含めればまぁいいかな」と後押しになる場合もあります。
一つの判断基準として、頭の片隅に入れていただければ幸いです。
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