RC車庫付木造住宅売却時の減価償却費‼
先日RC(鉄筋コンクリート)造車庫付木造住宅の売却相談を受けました。下図のような感じです。
中古住宅(土地+建物)売却時の譲渡所得を計算する場合、建物経過年数に応じた減価償却費を算出する必要があります。
マンションや普通の木造住宅の計算の仕方はネットでたくさん解説がありますので、今回はRC車庫+木造住宅の計算をしてみたいと思います。例で説明します。
5000万円で土地を購入し、2000年に2500万円で新築住宅を建てました。延面積は150uです。面積の内訳は、RC車庫30u、木造居住部分120uです。
これを2021年に売却することにしました。この条件で建物減価償却費を計算してみます。
木造とRC車庫は構造が違いますので償却率が違います。自宅用木造住宅の償却率は0.031、自宅用RC車庫の償却率は0.018です。これを使って計算します。
償却率の細かい説明を書くととても長くなりますので省略します。知りたい方はネットや書籍で調べるか専門家に聞いてください。
まず、建築費2500万円を住居部分価格と車庫部分価格に分けます。これは単純に面積比でけっこうです。
木造居住用部分の価格は、
2500万円×120u/150u=2000万円
となります。車庫の価格は必然的に500万円です。
「木造とRCの建築費は全然違う。単純に面積比で計算するのはおかしい」とブツブツつぶやかれた方もいらっしゃるでしょう。私も国税庁に電話相談しました。この考え方でOKとお墨付きをいただきました。
もちろん建築時の見積書が残ってて内訳が明確である、あるいは他に合理的計算方法があるといった場合はそれでよいと思います。税務署が納得すれば問題ありません。
では減価償却費を計算します。自宅の減価償却費の計算式は、
減価償却費=建物建築(購入)価格×0.9×償却率×経過年数
です。木造部分の減価償却費は、
2000万円×0.9×0.031×21年=1172万円(減価償却費)
です。車庫部分は、
500万円×0.9×0.018×21年=170万円(減価償却費)
となります。減価償却費は合計、
1172万円+170万円=1342万円
となりました。
次に譲渡税を計算してみます。まず譲渡所得を算出します。譲渡所得は、
売却価格−(取得費+取得経費)−譲渡経費=譲渡所得
となります。売却価格:9500万円、土地取得費:5000万円、取得経費:400万円、譲渡経費:400万円 とします。問題の建物取得費は、
建物建築(購入)費−減価償却費=建物取得費
で計算します。建物取得費は、
2500万円−1342万円=1158万円(建物取得費)
となります。譲渡所得は、
9500万円−(5000万円+1158万円+400万円)−400万円=2542万円(譲渡所得)
となりました。これに税率を掛ければ譲渡税が出ますが、居住用不動産を売却した場合、「3000万円特別控除」が適用されます。
2542万円(譲渡所得)−3000万円=▲458万円
となり、譲渡所得は無くなります。よって譲渡所得税もかかりません。
とまぁこんな感じで中古住宅の譲渡税は計算できます。譲渡税が分かれば手元にいくら残るかも知ることができます。
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