「空き家譲渡特例」適用の損得‼
相続人を確定するため戸籍の取得を依頼されてました。最後の戸籍が八丈島から戻ってきました。相続関係図を作成して業務終了となります。
八丈島の役所にはレターパックで申請書類を送りました。追跡番号で到着状況をチェックしてましたが、他の地域と変わらない日程で到着してました。
ひょっとしたら1週間ぐらいかかると思ってました。間違った先入観を持ってたようです。島民の皆様申し訳ございませんでした。
【相続1口メモ】
先日「空き家譲渡特例」についてご相談がありました。使った方が得か、使わない方が得かという内容でした。
例で説明します。古家を相続しました。敷地は50坪あります。1億以下で売却すれば特例が適用されて譲渡所得から3000万円が控除できます。
ところが売却価格を査定したところ、11000万円で売却できることがわかりました。でも特例は使えません。どちらが得かという問題です。
実際に計算してみましょう。相続人は1人とします。取得費は不明のため売却価格の5%となります。譲渡経費は500万円とします。税率は20%で計算します。
長期譲渡所得=10000万円−(10000万円×5%+500万円)=9000万円
課税長期譲渡所得=9000万円−3000万円(特例適用分)=6000万円
税額=6000万円×20%=1200万円
手取り金額=10000万円−500万円(売却経費)−1200万円(税額)=8300万円
となります。
次に11000万円で売却した場合です。特例は使えません。
長期譲渡所得=11000万円−(11000万円×5%+500万円)=9950万円
課税長期譲渡所得=9950万円 (特例なし)
税額=9950万円×20%=1990万円
手取り金額=11000万円−500万円(売却経費)−1990万円(税額)=8510万円
となりました。特例を使わなくても11000万円で売却の方が約200万円得します。
相続人が1人の場合上記の結果となりました。では2人になったらどうでしょう。控除額は、3000万円×2人=6000万円です。
10000万円で売却したとき、
長期譲渡所得=10000万円−(10000万円×5%+500万円)=9000万円
課税長期譲渡所得=9000万円−6000万円(特例適用分)=3000万円
税額=3000万円×20%=600万円
手取り金額=10000万円−500万円(売却経費)−600万円(税額)=8900万円
となりました。11000万円で売却した場合は特例がないので手取り金額(2人合計)は変わりません。よって相続人が2人であれば、10000万円で売却した方が約400万円得します。相続人が3人以上であれば譲渡税はかかりません。
1億を超えて売れる土地でも、1億で売却して、「空き家譲渡特例」を適用した方が手取り金額が多くなるケースもあります。
専門家とよく相談してから売却してください。
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