虚偽の所有者‼
先日お客様の不動産のことで、港区某所の弁護士事務所にご相談に伺いました。内容は当然書けませんので、一般的な事例でご紹介します。下図をご覧ください。
ある土地があります。登記簿上では、ある時期にXさんからYさんに所有権の登記名義が移転しています。所有権移転の理由(原因)は売買となっています。
ある日Xさんは、自分の土地が売りに出されていると知ってビックリします。全くそんな覚えはないからです。
慌てて法務局に行き登記事項を見ると、Yさん名義になっています。Yさんに説明を求めても、自分が名義人だと言い張るばかりです。
Yさんが誰かに売却する前であれば、売却を阻止する対抗策として、「処分禁止の仮処分」というのを裁判所に申立てることができます。
裁判所に認めてもらうには、証拠の書類を集めたり、費用(弁護士報酬、保証金)もけっこう必要だったり、いろいろ大変ですので専門の弁護士さんによく相談してください。
では、既にYさんが誰か(Zさん)に売ってしまっていた場合はどうすれば良いでしょうか? この場合は裁判に訴えて、ZさんからXさんの名義に戻してもらいます。
XさんとYさんの売買が虚偽による無効と認められれば、何も知らずに買ったZさんにはかわいそうですが、Xさんに名義を返すことになります。
Zさんは、購入に要した売買代金や経費を取り戻さなければなりませんが、Yさんがすんなり払ってくれなければ訴えることになります。Zさんは踏んだり蹴ったりという状態になります。
こういう事態を防ぐには、売買を仲介する不動産会社が重要になります。売主(この場合Yさん)の様子や言動、登記簿などの資料などから、何となく変だなというのはピンとくるものです。
ピンときても気付かなかったことにして、売買してしまう不動産会社もいたりするので困ります。
ヒントとしては、親族間で名義移動してる場合は注意してください。名義移動の理由や経緯、書類等を深く追求してください。ここであやふやな回答や、「書類はもうない」といった事だと危険度は高いです。
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