「健康に直ちに影響はない」という言い方はおかしい。
旧ソ連で1986年に起きたチェルノブイリ原発事故について、人や環境に及ぼす影響を調べているロシアの科学者
アレクセイ・ヤブロコフ博士が25日、ワシントンで記者会見し、福島第1原発事故の状況に強い懸念を示した。
博士の発言要旨は次の通り。
チェルノブイリ事故の放射性降下物は計約5千万キュリーだが、福島第1原発は今のところ私の知る限り約200万キュリーで格段に少ない。
チェルノブイリは爆発とともに何日も核燃料が燃え続けたが、福島ではそういう事態はなく状況は明らかに違う。
だが、福島第1はチェルノブイリより人口密集地に位置し、200キロの距離に人口3千万人の巨大首都圏がある。
さらに、福島第1の3号機はプルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料を使ったプルサーマル発電だ。 もしここからプルトニウムが大量に放出される事態となれば、極めて甚大な被害が生じる。除去は不可能で、
人が住めない土地が生まれる。それを大変懸念している。
チェルノブイリ事故の最終的な死者の推定について、国際原子力機関(IAEA)は「最大9千人」としているが、ばかげている。
私の調査では100万人近くになり、放射能の影響は7世代に及ぶ。
セシウムやプルトニウムなどは年に1−3センチずつ土壌に入り込み、食物の根がそれを吸い上げ、大気に再び放出する。
例えば、チェルノブイリの影響を受けたスウェーデンのヘラジカから昨年、検出された放射性物質の量は20年前と同じレベルだった。
そういう事実を知るべきだ。
日本政府は、国民に対し放射能被害を過小評価している。「健康に直ちに影響はない」という言い方はおかしい。直ちにではないが、
影響はあるということだからだ。
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/item/233873
チェルノブイリ事故は10日で終息したが、福島は3週目に入る。人が住めない土地にならなければいいが・・・・・。
埋立地の悲劇
福島・双葉町民、再移転へ さいたまから加須の高校校舎に
埼玉県は20日、東京電力福島第一原子力発電所がある福島県双葉町から、 さいたま市中央区のさいたまスーパーアリーナに集団避難している住民約1400人について、
埼玉県加須市の旧県立騎西高校の校舎へ移るよう要請する方針を決めた。
アリーナに設置した避難所は31日までの期限で、双葉町側は基本的に受け入れる方向という。
上田清司埼玉県知事が19日、井戸川克隆町長と4月以降の避難先を協議したところ、 町側から「町役場と町民が一体で避難生活を送ることを優先したい」との意向が示されていた。
双葉町は福島第一原発の半径10キロ圏内に大半が入り、避難生活の長期化が見込まれている。
旧騎西高校舎のリフォームが完了し次第、双葉町は町役場機能と町災害対策本部を移し、 住民サービスを再開する予定だ。旧騎西高は2007年度末、県立不動岡誠和高と統廃合、
08年度から県立誠和福祉高となり、校舎はそのままになっている。
(2011年3月21日00時40分 読売新聞)
▽ソース (YOMIURI ONLINE)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110321-OYT1T00060.htm
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