低く渋い声
に憧れます。
声変りする前は、家族構成を知らない人には必ずお嬢ちゃんと間違われました。声変りしてからも間違われ続けました。でなんと今でもよく女の人と間違われます。電話でアポイントを取ってから実際に会いにゆくと「えっ、電話くれた女の人は?」とよく言われます。
先日いつもと違う職場に行きました。仕事の開始時間より1時間ほど早く着いてしまって鍵が開いておらず部屋の前で待っていました。すると始業の前に仕事をされる掃除のおばちゃんたちがやってきました。1人目がまず、「やー、どちらさん?あーそうなん、もう少ししたら誰か開けてくれはるわ」といって通り過ぎてゆきました。2人目が近づいてきて「あれ?今しゃべってはった人?女の人かと思ったわ、姿見てとちゃうんよ、優しい声で丁寧な話し方やったからよ」といって通り過ぎてゆきました。まあ、電話で間違われるわけですから、電線越しでなくても顔がわからなければ間違われるわけです。
昔は間違われるのが嫌で知らない電話には極力出ないようにしたり、できるだけ低い声でしゃべろうとしたりしていました。最近ではあきらめています。最近営業の電話をよく取るのですが必ず「代表の方おられますか」と聞かれます。「私です」というとちょっと間があって本題に入られます。
そこで考えたのですが、「私です」というのはやめて、「はい、今、代わります」といって一呼吸おいて「北村です」というのはどうでしょうか。
ピアノがやってきた。
以前の日記でも書きましたが、本日、実家にあったピアノが僕の家にやってきました。
ピアノに限らず、引っ越しは必ず3社以上見積もりをとりましょう。見積もりの際のポイントは、聞いていないのにどんどん話を進める業者は危険です。以前僕は引っ越しの際かなり悪質な業者にひっかかりそうになりました。その業者は見積もりの段階で電話をしてきて値段を提示しました。クーラー設置代込みと言っていたのに、途中から別料金と言い出し、それならほかの人にお願いするというともうキャンセルできないと言い出しました。消費者相談センターに相談し、はがきにクーリングオフする旨書いて送ったら何も言わなくなりました。結局クーラーも引っ越しも自分でやったのでだいぶ安くあがりました。洗濯機だけはとても重くて設置場所もかなり奥まった場所だったのでクロネコヤマトに頼んで正解でした。
今回見積もりをお願いしたのは、1、クロネコヤマトさん2、ヤマハピアノサービスさんそして3、北浦運送さんでした。3つ目の北浦運送さんはネット検索でお願い可能な圏内で唯一口コミが見つけられた業者さんでした。前の2つは会社の信頼度からです。まず、見積もりを出す前にネットで相場を調べました。するとアップライトピアノの場合、一番小さい型番で¥30,000〜ということでした。これに距離加算、段差加算、クレーン加算などがあるとののことでした。東京ー大阪だと10万円、5段以上の段差があると1万円〜。クレーンで吊る作業が加わると1万円〜というイメージでしょうか。母の実家は堺、自分の家は高槻ですので距離加算は微妙でした。母の実家は1階でしたが段差は4段でしたのでそこの追加はなしでした。僕の家のほうはクレーンなしでは不可能なので1万円は覚悟しました。これだけで¥40,000ですが、今回のピアノはアップライトピアノの中では大きくかつ重い型番でした。そこで僕の中では¥50,000+消費税を基準にしました。ただ、クレーンがあってもかなり難しいやろな。プロのみなさんはどうすんのかな。と思っていました。というのは、僕の家の玄関先は、急かつ曲がった階段になっているからです。(下の写真ご参照ください。)
最初に、見積もりの返事を下さったのは、クロネコヤマトさんと北浦運送さんでした。ですが、クロネコヤマトさんが下見の必要があり、依頼に至る至らないに関わらず¥4,000が別途かかる、というのに対して、北浦運送さんは¥44,000の一発回答でした。この時点で僕はクロネコヤマトさんをあきらめました。たしかに家の構造がこんななので下見がしたいというのはわかります。ですが別途かかるというのはこれは消費者泣かせです。せめて依頼に至った場合は内金とすべきだと思います。それでなければ3者見積もりの意味がありません。またストリートビューがあるのですからそこから見積もりは可能なはずです。一方の北浦運送さんには、正直にヤマハピアノサービスさんが時間がかかると言っているので待ってほしいとメールしました。ヤマハピアノサービスは結局、あれをするのでこれくらい料金がかかるこれをするのでこのくらい料金がかかるという見積もりらしくない見積もりで、わかったのは最低でも10万円くらいかかる、ということでした。北浦運送さんに依頼のメールをしました。
母に上の話をすると、安すぎないか、ヤマハピアノサービスのほうがいいのではないか、と言い出しました。見積もり交渉とか面倒な話は全てこちらに押し付けて文句を言うのが母の悪いところです。ため息をひとつついて、北浦運送さんが楽器を主に運送している運送屋さんであること、おそらく価格でどこにも負けない自信があるから一発回答したきたのであろうこと、ヤマハピアノサービスは調律や修理メンテナンスありきでかつ見積もりらしくない見積金額を提示してきたこと、最低でも北浦運送さんの提示してきた金額の2倍以上かかること。そもそも今回は調律や修理メンテナンスを予定していないこと、を説明し、母さんが探してきてくれてもいいよ、と言いました。そこでようやく、いやいや、心配やねん、と引き下がるところもどっと疲れるところです。息子でさえこんなに疲れるのだから、もし自分にお嫁さんがきても厳しいやろな、と思うのです。
母から、北浦運送さん今そっちに向かって出て行った、3人くらいくると思ったのに2人やった、思ってたより年配で感じのいい人たちやった、ジュース渡しといた、とちょっと嬉しそうに電話がありました。ほどなくしてお1人が「北浦運送です。先に中を見せてください」と来ました。まず出窓を測ります。ダメか、という顔をされてます。そうなのです、母も出窓から入れるの?と聞いてきたので「あかんあそこは寸法的に…」とやり取りしてたところなのです。結局は下の写真のような橋渡し方式しか方法がないのです。
この木材たちは僕が常時ガレージにストックしてるもので、今回良かったら使ってくださいと進言したものです。最後に清算が終わって帰ってゆく直前、北浦運送さんに言われました「ストリートヴューでは見てたんですけどね、あの木材があって助かりました」と。ほらね、見積もりなんてそれでいいんですって。お客さんだって別にただ安くあげようとか思ってるわけじゃないんですから。ただ、今回は出窓の寸法が予想よりも小さかっただけです。ベテランたちはそこにあるもので結局成功させて帰ってゆくんですって。
てきぱきとした作業終盤、北浦運送さんに「ピアノの4つの足の下に敷いてあった黒いプラスチックのお皿割れてたんです。耐震性能のある新品どうですか、¥18,000しますけど」と言われたのです。ちょっと高いなと思って断りました。その後、「うちにあった中古ですけど割れてないんで、これ敷いときますね、でもって、この割れてるやつうちで処分しときますね」と言われました。なんて親切な、と思ってこちらも用意しておいた冷えた缶コーヒー・お茶、ガリガリ君を持って帰って頂きました。で、母に電話しました。母は即、「なんぼやったん?追加はなし?」と聞いてきました。「いや最初言われた¥44,000のみや、ええ人たちやったやろ?割れてた敷き皿も中古やけど替えてくれてんで」と伝えました。
すると…
「えっ?割れてた?お母さん、それ洗って袋に入れたけど、割れてなかった思うよ。」
と言われました。真相は闇の中です。
さあっ!
今日も謎のレギュレーションと格闘です。
一行ずつ増やして行ってどこで例の文字が出てきてはね返されるかです。
自分の感受性くらいという茨木のり子さんの詩をみなさんご存知でしょうか。僕が初めて泣かされた詩です。
僕は、学校の道徳の時間に聞かされたような気がしますが…いえ、違います。高校のとき、現代国語の授業で野口先生という声がとてもかわいい先生から教わりました。
茨木のり子さんの詩は、3年B組金八先生でも使われていたそうなのでそこから知っている方も多いかもしれません。
どんな詩かというと
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「自分の感受性くらい」 茨木のり子
ぱさぱさに乾いてゆく心を 人のせいにはするな 自らみずやりを怠っておいて
気難しくなってきたのを 友人のせいにはするな しなやかさをうしなったのはどちらなのか
苛立つのを 近親のせいにはするな なにもかも下手だったのはわたくし
初心消えかかるのを 暮らしのせいにはするな そもそもがひよわな志にすぎなかった
駄目なことに一切を 時代のせいにはするな わずかに光る尊厳の放棄
自分の感受性くらい 自分で守れ 〇〇〇〇〇
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と、最後の5文字を残すところですが、実はこれを放り込むとはね返されます。
僕はこの詩の題を長らくこの5文字と思っていたくらいです。この5文字がなければ僕のこころには全く響かなかったとおもいます。
知らない皆さんは、ぜひ一度、5文字を想像してからググってみてください。
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