物件調査2
今日は先日の不動産調査での出来事を書きたいと思います。
現地での調査を一通り終えて、現地から最寄りのバス停までを歩きました。Googleマップで見れば一目瞭然ですし、1分80mで表示すれば問題はないのですが、地図上の距離と実際の使いやすさは全く別だと思ったのです。ゆっくりめに歩いて9分ほどでした。Googleマップだと550m7分でした。その2分の差は「歩道橋」でした。現地から松江駅行きのバス停に行こうとすると9号線を渡る必要があります。この時に歩道橋が必要です。50mほど西に横断歩道がありますが、距離的に800mほどになり、信号待ちも必要です。松江駅からのバスから降車するバス停から現地へは、550m7分で正確です。
その最寄りバス停から法務局へ行こうと思いました。自分の知っていた松江法務局は、松江駅のずっと向こう側でした。直接行くバスは無いと思い、とりあえず松江駅に行くバスに乗るつもりでした。ですが、松江駅行きのバスは約15分後でした。歩いて約25分ですので待つことにしました。そこでiPhoneで法務局の場所を確認すると、なんと、法務局が今自分の居るところから1km以内、しかも松江駅の方向にあることがわかったのです。バスで松江駅まで乗っていたら悲しい結果になるところでした。iPhoneのGoogleマップを見ながら歩き、着いたそこは体育館のようなところでした。
どこの法務局も官庁街のど真ん中にあり、建物も古いかもしくは無機質なビルの中なのに対して体育館風というのははじめてでした。 あとで聞いてわかったのですが、橋北(松江では大橋川の北を橋北と言い、南を橋南と言います)の合同庁舎を工事しているので、仮庁舎だということでした。 法務局に自分が入った時は2人ほどしか来客はいませんでした。そこで全日のテキストを見ながら取れる資料は全て取ろうと思いました。請求用紙は4種類ほど並んでいました。登記簿と図面類の謄写が欲しかったのですが、1種類に今回の物件の地番を書き込んで請求しました。その時に公図も欲しいのですがと言うともう1種類の紙です、と教えて下さいました。地積測量図という項目もあったのでチェックを入れておきました。ほどなくして呼ばれました。「ここ、国調が入ってるので地積測量図はないですね〜」と職員の方。・・・・ あっ、はあ、そうなんですね。と僕。これは大失敗です。僕の頭の中では、「えっ、国調って何?えっ、何で国調が入ると地積測量図が無いの、えっ、何で?」とパニック状態でした。ですが、自分もプロとしてここに来ています。変なプライドが「聞く」というタイミングを奪いました。ベテランだから聞いちゃダメという決まりはなく、むしろベテランになればなるほど上手に聞けると思います。ですが、「お恥ずかしいのですが教えて下さい」の一言が言えず、 そのあとの調査にも影響しました。さらに、そのパニックになった頭で、「あっ、あの、この前面道路は、この地図から幅員がわかりますか?」と聞いてしまいました。「14条地図ですのでスケールで戻してもらえば出ると思います」と答えて頂きました。この時点では自分は、この答えの意味も全くわかっていません。ですが、「あっ、そうなんですね、ありがとうございます」と答えてしまいました。同業者のベテランのみなさんには僕のかっこ悪さがわかると思いますが簡単に説明させて頂きます。まず国調というのは国土調査の略で、地積調査とほぼ同義です。国土調査法に基づいて土地の地籍(土地の所有者や形状・面積)を調査することを言います。この調査の過程で不動産登記法第14条に規定される正確な地図が作成されます。そして、地積測量図は14条地図より一般的には古い図面ですので「現在の」地図を請求した場合は、地積測量図は出て来ないことになります。それが「国調が入ってるので地積測量図はありません」の意味です。さらに、国調が入ってる→14条地図→精度が高くスケールで戻せる(図面上で定規で測った長さに縮尺を掛けることで実際の距離がわかる)というのはこの職場での常識なわけです。にもかかわらず、「この道の幅は…」と聞いたものですから、職員の方は、ん?と思ったことでしょう。聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥とはよく言ったものです。優しい職員さんたちのお陰で過不足なく資料が得られました。
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