2012/09/25 14:12:49
私について#80 (舵を切る)
9月25日付けの日本経済新聞で目にとまった記事が2つ。
1.「石炭火力の新増設再開」:電源確保の観点から、環境への負荷が大きいとして新期に建設することが難しくなっていた、石炭火力発電所の新増設を認めるべく、政府が検討に入る。二酸化炭素の排出がLNG火力の1.5〜2倍と言われる石炭火力発電であるが、原子力発電に代わる電源として、新たなアセスメントの下で日の目を見ることとなる可能性が出てきた。石炭火力発電は、燃料費が1キロワットあたり4円と、石油の1/4、LNGの1/2とコスト面においても優位性がある。二酸化炭素排出量は増えてしまうが、コスト面や現実的な発電方法として、今や原子力発電をあてにすることができない、日本の電力事情を考えれば、いたしかた無いことと思われる。地球温暖化防止のため、1997年に採択された京都議定書の内容とは方向性が異なるものであるが、重大な原子力発電所事故を経験した日本にとって、政府の今回の見直しはやむを得ないと言うべきであろう。
2.「小売り・外食業界が店舗用不動産の投資再開」:店舗運営に関し、従前は、賃借中心に営業展開していた業界であるが、地価下落に底入れ感が見られるとして、中・長期的な投資として不動産という資産を持つ経営に舵を切り始めた。もともと、この業界は、成長の止まった日本の国内市場に見切りをつけ、かなり早い段階でアジア諸国にその活動の場を広げていた。製造業と異なり、業務自体が消費者と距離が近いところにあるためか、小売業界の経営者は、市場に対するものの見方が明確でビジネス展開も早い。この小売業の方針転換で、不動産市場が活性化することを期待する。
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