2013/11/19 14:14:38

私について #141 (市場の2極化)

11月19日付日経によれば、南米からの日本の現油輸入量は1〜9月に960万バーレルと前年同期比で20%増加した。日本の輸入量全体に占める比率はまだ1%程度だが、中東への依存度が高い日本は調達先の多様化を進めている、とあった。


北米、とりわけ米国はシェールガス・オイルの増産により安価なエネルギーを自己調達できるようになったため、戦略的なケース以外は原油輸入を大幅に抑える傾向にある。この動きを受け、南米原油産出国は、アジア等新たな販売先を求めざるを得ず、日本を含むアジア諸国への供給を増やす必要に迫られている。アジアは事情は各国異なるものの、経済発展の最中エネルギーの安定的な供給先を求めている。


原油価格については、ここ最近、米国における指標と言えるWTIと北海ブレントとの価格差が今年秋口から拡大してきた。もちろん、原油の質による価格差もあるが、夏場まではWTIも北海ブレントも似たような価格帯にあったが、今では15ドル程の価格差になってきた。米国産原油の価格下落が顕著となってきた。これはシェール革命がもたらした価格差と言えるだろう。


株式市場に目を向けると、サブプライム問題を引き起こした当事者である米国、サブプライム問題以降、その影響をもろに受け、特に金融機関が総崩れ状態となり、それが引き金となり景気後退を経験した欧州、その中の中心的な役割を担っているドイツの両株式市場は連日史上最高値を記録している。特に世界中のメディアからバッシングを受けて来たEU各国は、一頃のバッシング状態が嘘のような回復ぶりを示してきている。ロンドンのシティーもリーマン前の活況を取り戻すかの勢いがみられるようだ。


さて日本の株式市場はどうか。新聞・テレビを見ている限り、景況感に改善がみられる、との報道が増えてきている。最大手の自動車会社の決算もかなり回復を見せたし、個人消費も改善されているとの報道が目につく。日本国内では少し元気の出てきた金融機関による日本株購入推奨の報道が目につくようになってきたが、日経平均株価を見ると、今年5月23日につけた15942.60円にも遠く及ばない状況となっている。自分が証券会社にいた頃、欧米株、特に米国株式市場と日本株市場は関連性が強い動きをすると言われていたしそういうケースが多く見られたが、今の状況は全くあたっていない。


少しは期待に応えた自民党政権に対する前向きな評価もここまでが精一杯か、経済活動の血液と言われるエネルギー問題を解決できない現状、新たな輸出産業が育つ気配が見られない日本経済の現状を見れば、今や日本の株式市場のメインプレーヤーである外人投資家にとっては、やはり、日本の市場は将来性を感じる魅力的なものではないのかもしれない。






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