2015/09/26 15:24:21

私について #210 (グローバル企業で起こった考えられない出来事)

ドイツ フォルクスワーゲン(VW)が会社存続の危機に立たされそうだ。その理由が排ガス不正問題。米国において、違法なソフトウェアを使い、試験時にだけ窒素酸化物(NOx)の排出量を減らすようにしていた。つまり、試験時だけ排ガス低減装置を作動させ、実際の走行時には燃費向上を優先して装置を停止させていた。その設定を変えると、今度は通常走行時の燃費が悪化し、二酸化炭素(CO2)排出量が増えてしまう恐れがある。ディーゼル車の大市場である欧州はもとより、VWが是が非でもディーゼル車市場を開拓したかった米国市場の開拓のためだったのか、禁じ手を使ってしまった。そして、お膝元欧州においてもその不正が行われていたことが発覚した。同社は過去10年で世界での販売台数をほぼ倍に増やし、2014年には年間1000万台の販売を達成し、世界首位のトヨタ自動車に肉薄し、2015年1〜6月期には上半期で初めてトヨタを抜き首位となった。しかしそれはまさしく「汚れた」記録だった。


日本ではディーゼル車は過去、排気ガスをまき散らす車として敬遠されることが多かったが、欧州ではディーゼル車はここ数十年来、大きくシェアを増やしてきた。その背景にはディーゼルエンジンにおける技術革新が進み、低公害化(クリーンディーゼル化)が進んだことと、ガソリンに比べ軽油の値段が安いことがあった。VWはとりわけ、このクリーンディーゼル車を前面に押し出し、ここ最近ではトヨタ・GM・VWと3強の一角を占める勢いを持ち始めていた。傘下には、ポルシェ・アウディ・ランボルギーニ・ベントレー等の高級ブランドを持ち、そのグループ12ブランドで欧州市場のシェアの25%を占めていた。


事件発覚後、同社の株価は4割以上下落し、最大で330億ユーロ(約4兆4500億円)の株式時価総額を失った。2015年6月末時点で自己資本は962億ユーロ(約13兆円)を誇る会社であったが、今後の信用失墜による販売不振、不正に対する莫大な課徴金の支払い、消費者に与えた経済的損失への賠償等、一体いくらの経済的負担が発生するのか現時点ではわからない。


2005年9月、ロンドン駐在時にドイツ北部ウォルフスブルグにあるVW本社を訪れ、日本円での資金調達(サムライ債の発行)を提案したことがあった。財務担当役員はじめ担当の方々から歓待を受け、とてつもなく大きな工場全体の案内もして頂いた。その時の提案を受け入れていただくことはなかったが、自分にとってはとても思い出深い取引先であった。しかし、そのVWが世界中の消費者と関係当局を欺いた。その報いは計り知れない厳しいものとなるだろう。






会社概要

会社名
グランド・プラン
カナ
グランド プラン
免許番号
東京都知事免許(3)0093934
代表者
大原 仁
所在地
1510064
東京都渋谷区上原2丁目17−2アハトインセルン101号
TEL
代表:03-5738-7028
FAX
代表:03-5738-7029
営業時間
10:00〜17:00
定休日
不定休
最寄駅
小田急線代々木上原
徒歩10分
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