2018/05/19 18:00:37

私について #291 (本格的なキャッシュレス社会への道)

欧米での生活経験があるので、自分は日本におけるキャッシュレス社会の到来を待ちに待っていた部類の人間であるが、30年前と比べても、日本の社会がキャシュレス化の道を歩んでいるとは到底思えない。さすがに、キャッシュレスの先駆けと言える、クレジットカードは日本人の間でも使用率が高まったようであるが、それでも、日本の現金決済比率は65%もあり、欧米の平均値の2倍だとのこと。もともと、日本人は現金至上主義者が多く、買い物をするに際し、未だに現金決済が主流だが、そもそもそれはどうしてなのか。 日銀リポートによると以下が上げられている。


・国内の治安が相対的に良く、盗難等により現金を失うリスクが他国対比では低い    


・偽造された銀行券が相対的に少なく、銀行券に対する国民の信認が高い


・低金利環境により現金保有の機会費用が小さい


これらはある意味、世界が戦乱や経済力の偏在化が顕著であった、激動の時代を想定したものであって、現代社会のように、世界中で中流に属する人たちが激増している世の中においては、もっと違った感性を持つ必要が出てきた気がする。


中国を筆頭にケニアなど、ここ数年で中流層が増加し、金融システムに新しい発想が組み込まれ始めた国においては、携帯電話の加入者がモバイル決済を利用しており、中国では98%、ケニアで77%という比率となっている。もともと固定電話のインフラが無かった新興国で今、劇的な変革が起こっている。


三菱UFJFG・みずほFG・三井住友FGははスマホ決済で連携することを決めた。支払い時に使う「QRコード」の企画を統一し、2019年度の実用化を目指す。規格統一を目指し、共同出資のシステム会社の設立も検討しており、他の大手行や地方銀行も含め参加を呼び掛ける方針とのこと。「QRコード」を使った決済が浸透すれば、利用者はキャッシュを持ち歩かずに済み、大口、小口を問わず、買い物においてスマホをかざし「QRカード」を読み取ることにより、自分の銀行口座から代金を自動的に引き落とすことができる。ある意味デビットカードのスマホ版に類似したものとなる。このシステムであれば消費者は、日本では年会費を払うことが多いクレジットカードを使う必要もないし、小売店はカード会社に決済手数料を支払う必要も無くなり、両社にとってとても効率的な決済手段となるし、また銀行にとってもコスト削減ができることになる。


一方、このシステムが本格的に普及したあかつきには、銀行のビジネスモデルが大きく変わることとなる。ある意味、今まで莫大なコストをかけて積み上げてきた、決済システムは無用の長物となるし、銀行が傘下に置くクレジットカード会社は、消費者が保有コストの高いクレジットカードを使用しなくなることが想定されるため、手数料収入が激減することは火を見るより明らかだ。しかし、グローバルな視野で見て行けば、日本におけるキャッシュレス化は避けることはできない。外資にその市場が食われないよう、日本の金融機関は一刻も早くそのインフラ整備をしなければならない。投機対象商品と化してしまった仮想通貨も、将来的には決済手段の一つとなり得る。変革から目が離せない。







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