私について #319 (G20サミットから得られたものは?)
6月下旬、日本においては梅雨本番の時期ではあるが、メンバー国や招待国の首脳、その他国際機関など、37の国や機関が参加し、経済分野を主要議題として毎年開催される国際会議、G20サミットが大阪で開催された。米国大統領、ロシア大統領、中国国家主席など、いろいろな意味で世界的にとても有名な人たちが大阪に集結し、日本の内閣総理大臣が議長を務めて執り行われる会議ということもあり、一般国民の社会活動にかなり制限を加えながらVIPを守る体制が取られた。
ここもと、米中貿易戦争がエスカレートしてきている中、世界の目は両首脳の動きに釘付けになった気がするが、カメラの前では若干のぎこちなさがあった程度で、自分ら庶民からすると、今一つエキサイティングではなかった感がある。両首脳会談では前向きな議論が繰り広げられたとのことで、今以上の制裁発動は無かったが、戦争終結の気配も無く、なんとも中途半端な会談であったと言わざるを得ない感じがする。また、米国大統領が北朝鮮の朝鮮労働党委員長にツイッターを送り、先方がそれを受けて板門店で再会した、という話も、米国大統領が北朝鮮の地を踏んだという事実以外は何物ももたらすことはなかった。
日本の内閣総理大臣は議長という重責を担った以外、せっかく各国の首脳が一堂に会したにもかかわらず、ほとんど実のある首脳会談を行うことはできなかったのは残念だった。それどころか、最終日の夕食会において大阪城の歴史と復元について言及したに際し、復元にあたり、エレベーターを設置したという大きなミスを犯した、と発言してしまった。自分もこの発言を目の当たりにした一人だが、この発言を耳にした時は、正直腹が立った。ジョークのつもりだった、との言い訳は、国際感覚を持った人間には通用しない。事実、あの発言をジョークととった首脳はいなかった。だれも笑顔を浮かべていなかった。東京オリンピック・パラリンピックを来年に控えた国の内閣総理大臣のこの失言、とても冗談ですますことはできない。日本人の一人として恥ずかしい。今回のG20 サミットで得たものは、安倍氏の国際感覚の無さを露呈した事実だけだった。
お問い合せ