2015/12/17 15:34:02
私について #222 (原油市場と株式市場)
2015年12月15日、米議会の与野党幹部は40年続いた米国産原油の輸出禁輸措置を撤廃する法案を提出することで合意した。米国は第一次石油ショック後の1975年、エネルギー不足への対策として、米国産原油の輸出を原則禁止したが、40年たった今、シェール革命とともに米国の立場が大きく転換することとなった。
水圧破砕法などの新しい採掘技術で米国はシェールオイルを増産し、2014年にはサウジアラビアを抜いて世界最大の産油国となった。一方で国内在庫が膨らみ、米国内のガソリン価格は大幅に下落し、業界からは輸出解禁を求める声が強まってきた。何はともあれ、いよいよ米国産原油が世界に流通し始めることとなってきた。そうはいっても米国産原油がすぐに日本に輸出されることにはならないようだが、今まで中東原油産油国の動向に振り回されていた原油大輸入国日本にとって、米国の輸出解禁は朗報と言える。
ここもと、原油価格は米国の原油生産が急増してきた中で、価格下落が顕著となっている。世界の原油市場の価格動向に大きな影響力を持っていた中東産油国も、米国の増産に気おされる形でその支配力を失ってきた。メディアは、原油価格の下落と米国のゼロ金利解除による市場の不安感が世界の株式市場を押し下げている、と連日報道していた。昨日、不安の一つであった米国のゼロ金利解除が現実のものとなったが、世界の株式市場は急反発した。「米国産原油の輸出禁輸措置の撤廃」のニュースが、今後、原油市場と世界の株式市場にどんな影響をもたらすか?じっくりと注視していきたい。
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