2017/11/20 14:25:52

私について #279 (サウジアラビアにおける政変の意味するもの)

サウド家の王族が政治の重要ポストを握り、国王が絶大な権力を握る「サウド家のアラビア」を意味するサウジアラビアが、今、突然の政変で揺れている。今年3月12日に来日した第7代サルマン・ビン・アブドルアジーズ国王の息子である、ムハンマド・ビン・サルマン皇太子(32)が、国家改革の一つとして、汚職摘発を名目とした政敵を排除し、イランなどへの強硬姿勢を取り、経済面では石油に頼らない仕組みを作り上げるため権限を集中させるという強硬手段を取った。そして、国王令で汚職対策委員会が創設され、王子11人、現閣僚・元閣僚、資産家ら数十人が拘束され、1,700ものサウジアラビア国内の銀行口座が凍結された。


サウジアラビアのみならず中東石油産出国の王族は、かねてより、莫大な石油収入を背景に、ある意味、一般的な民主国家においては許されないであろう「既得権」を利用し、自分たちの資産を増やしてきた経緯がある。サウジアラビアの王族は20,000人いると言われ、彼らが日本の年間の国家予算に迫るほどの資産を世界中に蓄えていると言われている。そこに突然振るわれた「大ナタ」は、この国をどう変えていくのか?


階層社会の中のほんの一部の特権階級と失業率10%を超える経済の中で取り残された、多くの階層社会からはずれた一般国民が混在する中、ムハンマド皇太子は今後どのような国造りをしていくのか。2010年以降一部中東諸国で起こった政治的変革、「アラブの春」にも動じなかったこの王国で、国民が参画しない王族発の国家改革が本当に成し得るのか?ムハンマド皇太子は政敵に命を狙われないのか?流血の無い、健全な真の政治的・経済的変革がこの国で起こることを強く望む。






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