2018/06/09 14:05:00

私について #293 (民泊の現状と今後)

民泊仲介世界最大手の米国エアビーアンドビーに掲載された日本国内施設に宿泊した訪日客は、2018年2月までの一年間で延べ580万人に達したとのこと。ここ数年、日本においてインバウンド旅行者が急増しているが、その理由の一つはこの民泊需要と供給の伸びがあった事だ。


その民泊が今大きく揺れている。2018年6月15日の住宅宿泊事業法(民泊新法)の施行を前に、官公庁がエアビーを中心とした仲介業者に出した通知。その内容は、「新法での許認可の取得予定が無い(違法性の強い宿泊施設)のに載っている施設の予約取り消しなどを求めた」ものだった。今まで許認可のない施設も仲介してきたエアビーは、その通知の後アクションを起こし、許認可後発行される番号の入力が無い物件について掲載を突然やめてしまった。それどころか、すでに予約の入っていたケースでは、顧客に対してその予約のキャンセル通知を出してしまった。それにより、今日本での民泊をあてにしていた、インバウンド旅行者の間で混乱が生じている。それはそうだろう、すでに日本に入国してしまった旅行者、今後、日本行きを楽しみにしていた旅行者の予定は大幅に狂ってしまった。とりわけ、すでに日本に入国している旅行者にとっては、一時的に「宿無し」状態になることになる。


こうなってしまったのにはいくつか理由がある。2018年6月15日に施行される民泊新法に関して、民泊施設の出し手である家主の意識レベルの低さが一つ。二つ目は新法が施行されるのをわかっていたのに、今の時点まで予約を受けていたエアビーなど仲介業者の経営姿勢。三つ目は手続きが煩雑で受理に時間のかかる許認可制度にした自治体の姿勢。今春時点で62,000件あった国内宿泊施設は足元で13,800件と8割減少したそうだ。要するに、理由はどうであれ、家主が正式に許認可を取得する意思が無かったため、このような事態となってしまった。取得のプロセスが煩雑だからなのか、今まで許認可無しで、ある意味へそくりのような収入を得られたことが忘れられないのか、許認可を取れば、恐らくその時は収入は当局にひも付けされることを嫌がっているのか。とにかく、新法の施行により、民泊施設が8割も減少してしまうのは、あまりにもお粗末すぎないか。民泊で収入を得ようとするなら、新しい法律の下で、煩雑でも許認可を取得すべきだろう。


こんなことになって一番困っているのは、それを利用するインバウンド旅行者だ。今では日本中どこに行っても、外国人旅行者を見かける時代になったのに、このことが彼らにどれだけの迷惑と失望を与えているか。もちろん民泊を利用する旅行者はごく一部の旅行者に限られるが、数はどうであれ、こんなに外国人旅行者に迷惑をかけるの言語道断だ。






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