2013/06/23 8:25:34

私について #131 (時間の潰し方)

サラリーマン時代、金融市場部門に長く籍を置いた名残か、世界の金融・商品市場の動向、具体的には、債券(金利)・株式・原油・天然ガス・金、の動向に、ついつい目が行ってしまう。

サブプライム問題に端を発した、世界的な金融・経済不況への対抗策として、日・米・欧の金融当局は、2008年以降、大規模な金融緩和を実行し、政策金利を限りなくゼロにに近づけるか、ゼロにした上で、それでも効果が無いと言うことから、意図的に市場に出回っている国債を購入し、市場に資金を供給し、資金を溢れさせた。正確には、日本は、その前から金融緩和状態にあったが・・・。これら先進国が市場に溢れさせた資金が、原油・金等、商品市場や新興国株式市場に流入し、とりわけ、金や新興国株式市場は、過去数年上昇トレンドにあった。原油価格は、産出国の思惑もあり、急伸しなかったものの、比較的高値で維持されていた。

2012年後半から、米国株式市場をはじめ、一時「崩壊か」とまでメディアにバッシングされた、EUの最大国ドイツの株式市場が、史上最高値をつけ始めた。日本では、9月以降、米国経済の復活を象徴するような、急激な米ドル高・円安局面への移行を契機に、株式市場が長期低迷状態から脱し、目覚ましいリバウンドを見せた。

経済面で追い風が吹き始めているが、共和党との関係が改善されない中、引き続き、オバマ大統領は議会運営で苦しんでいる。一方、バーナンキFRB議長は、米国経済が期待通り回復していけば、中央銀行による市場への資金放出を、年内にも抑え気味にしていくスタンスを示した。そして、このコメントが世界の金融市場を大きく動かすことになった、と言われている。特に、ブラジル・インド・インドネシア・フィリピン・トルコの株式市場は、米ドル高/自国通貨安によるインフレにより、経済運営が難しくなってきており、トルコ・ブラジルにおいては、市民による過激なデモが発生し、政治的な混乱も起こった。日本株は、バーナンキ発言を材料に調整幅が大きい、不安定な相場展開を呈していると言われている。

自分らが取れる情報においては、これら金融市場のうねりの原因は、全て、米国金融当局による「金融緩和の出口近し」に由来している、という物が多いのが気にかかる。その真偽はともかく、これを理由に下落している、金、新興国・先進国金融市場から流出した資金が、今後どこに向かうのか?通常、逃げ足の速い資金は、いつまでも現金で置かれていることは無い。現状、潜在的にかなりの資金が待機していて、またどこかの市場になだれ込む機会を待っていると考えられる。

これは実需による市場の動きと思われるが、原油価格が静かながら下落し始めた。米国において、自国内で原油・天然ガス等、エネルギー資源産出量が急増している中、今後、この国は、戦略的な輸入以外、海外の、とても割高なエネルギー資源の輸入を大幅に減らす一方、それらの輸出国となる。原油については、中東諸国が握っていた価格決定力は、市場原理に基づき価格が決定される動きに変わっていく。原油価格に連動していた天然ガス価格も、同様な価格決定プロセスに移行していくことになるだろう。これらエネルギー資源の価格は、今後は、一部産出国の思惑や地政学的リスクに大きく振られることが少なくなっていく。

こんなことを考えていると、あっという間に時間が過ぎていく。






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