更衣
衣替えは更衣ともいいますね。今日は6月1日。雲ひとつ無い快晴で初夏の日差しのようなのに、体感の気温は夏物では寒い感じです。夏物を着るにはためらいがあり、自らの服は、中途半端な色合いの服に袖をとおしました。源氏物語のはじまりで、桐壺の更衣のところから暗唱しますから、更衣というと、あの有名な出だしが頭に浮かびます。
平安時代の更衣。何枚重ねていたのか、調べてはいませんが、地球温暖化はしていないし、風通しのいい和風の建物ですから、そんなに薄着ではなかったのかな。とか、身分の高い方はたくさんの衣を重ね着できるけど、庶民にとっての布は高価なはずですから、ものすごく薄着なのかななどと、たかが更衣で空想が広がりすぎます。
さて、建物にも更衣が必要ですよね。例えば、冬物の毛皮風のラグから、夏物のゴザに替えるとか、絵画がたくさんあるのなら、海とかひまわりとかの、夏らしいアートを飾るとか。まさか、いまだに雪だるまとかクリスマスのままなんていうのは、ちょっと・・・。
親戚の話では、昔、昭和初期に、冷蔵庫がなかっころは、戸棚の戸や、家具を夏と冬で交換して利用していたようなことを聞きました。風通しを良くして、食べ物とかを保管しやすくするものがあったらしいです。
近所の大家様宅で○十年前にお嫁に来た頃は、畳の下は板敷きになっていて、夏は畳を上げる。すると、そのまま、フローリングの状態になり、木の床がひんやりとして涼しく過ごせたのだそうです。畳も減らないし、節約にもなったので、一石二鳥だった。女性にとって、家中の畳を動かす作業は重たくて大変だったなどなど昔話を伺い出すと、興味は尽きません。
重い畳を動かさずに、スイッチ一つで涼しくなれる、エアコンのある暮らしです。意識的に、少しずつでも、季節のための手間隙をかけることも現代風の「風流」ですよね。
お問い合せ