2010/07/08 17:07:53

減額 野心の芽生え

嘉子の創作シリーズ「減額」。今回は入居者に広がりを持たせることにしました。法子さんとおベンョウを始めた計次さんにしてみます。なにぶん初めての創作ですから、ストーリーは毎回あちこちに飛んでごめんなさい。でも、この創作を始めたら、なんとアクセス数が今までの2倍近くになり驚いています。ガゼン気合が入りますね。


計次の仕事は、実は刑事です。アパートの入居者法子さんにはつい、初対面のとき「計次」と名乗りました。職業が刑事だから、めんどうなのでそのまま自分であだ名に計次としたのでした。これなら、呼びかけに即反応できますし、まんざら嘘でもないとくころがミソです。でも、本名を名乗るタイミングを逃してしまい、いまとなっては、少し困り気味でもあるのです。


計次は主に、金融関係の事件を秘密に捜査する部署の担当です。殺人とかではないので、一般の体育会系のゴツイ警察の人間のように、怖そうに見えないあたりが、計次が会社員と思われるゆえんです。法子さんの誘いで、簿記の勉強を始めたのは、法子さんと同じように、この家賃請求書を見て、事件性はないのか?と職業的な嗅覚が騒ぎ出し、もし、抜きダネで手柄を上げることができたら、出世街道まっしぐら・・・。この安アパートから出ていけます。しかも、一緒にきれいなオネエサンと勉強できる。もしかしたら、理知的な法子さんをおヨメさんにゲットできるかもという、男32歳独身の計次には職場でも、私生活でも期待が膨らみ、いいことづくめのお誘いでした。


計次は、いままでは、職場では先輩刑事たちからの命令で、補助的な仕事ばかり。おとなしい自分が出世できるなんて夢にも考えてはいけないと、自分で自分の未来にブレーキをかけていたのです。でも、今回法子さんの誘いで、目覚めました。仕事も恋も、自らチャンスをつかみに行こうと考えたのです。


まず、刑事の王道。証拠固めには、なにが手に入るのだろう。そもそも、この請求書は事件性があるのだろうか。単なる表記の仕方の問題なのか、手続きのタイミングの問題なのだろうか・・・。それとも、もっとウラには大きな問題を潜ませているのだろうか?


スタートの仮説が必要ですが、計次には、このスタートの位置さえわからないのです。だからこそ、法子さんとの会話が毎回盛り上がるのです。なぞはかえって二人を親密にしてくれるから・・・。


あっ。夕方7時。法子さんと談話室で待ち合わせの時間です。シャワーを浴びて、鏡をのぞく計次。「うん。今日のオレはイケテル」と自己暗示をかけました。例の請求書に投げキッスをして計次は部屋に鍵をかけ階段を走り降りました。






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(株)ネクサス
カナ
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宮城県知事免許(2)0006306
代表者
引地 由花
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TEL
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定休日
土日・祝 毎週水曜日午後
夏季・年末年始・大型連休
最寄駅
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