減額 NO
嘉子の創作「減額」続きです。
大家さんが住民の意見を聞いて出した結論。「NO」。信頼関係が崩れてしまって、回復の見込みがないのなら、離れるしかない。そんなありふれた結論になったのです。
平成の今の時代には、質の高いコンプライアンス・法令遵守の姿勢が求められています。何度もの電話での問い合わせ、文書質問、あまたの入居者からの声に対して、不誠実な対応と、時間稼ぎのようにさえ感じることばかりが目だった管理会社に対する結論は「NO」というものでした。
石原慎太郎がエッセイの題名にNOを使った頃の日本人は自分の意見を言わずに胸にしまいこむ人々が大多数でした。国と国との関係も。ですからこそこの言葉がタイトルに使われたのです。少しずつではありますが、「NOといえる社会」になってきた。管理会社を選ぶのは大家さんの仕事です。
大家さんは思いました。「次は、きっと、入居者にとても満足していただける誠実な不動産管理会社との出会いがあるに違いない・・・。」一つの問題を通して出会った入居者たちとの交流は意義深いものでした。一枚の請求書の不思議さから、地域交流が出来、仲の良くなった住民たちは、談話室を去る大家さんへ笑顔を向けてくれました。問題はありましたが、すべて悪いことばかりではなかったようです。
ただし、いつまでも、「勝手」は許さない。そんな決意と希望にみなぎっています。自分のアパートを舞台にした集金手法。ほかの不動産管理業でもこのような虚偽集金システムの事件があるかもしれない・・・。来週にも、弁護士と税理士らと、しかるべき方法を行動に移す方向で住民の意見もまとまっています。
大家さんはこのアパートの問題解決について、夜明けが間近な感覚がありました。暗闇にポツンと光るものがあります。大家さん。見てください。というように、すうっと広い庭の池のほとりに虹色の灯りがともりました。清んだ水に集まったホタルが弧を描きました。
※ブログ主嘉子より・・・ちなみに先日登場させた資格・管理業務主任者の試験にブログ主は合格しています。宅地建物取引主任者の試験よりはすこし楽に感じました。チャレンジする方は、今年の申込にひょっとしたら間に合うかもしれません。分譲マンションを所有していらっしゃる方は、実生活に役立ちますから、ぜひ力だめしを。秋のお勉強楽しいですよ。
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