2010/11/30 10:49:37

減額 事実確認B

嘉子の創作「減額・番外編」つづきです。


その冊子は、タイプで整然とまとめられた、自治会役員たちに対する総会説明についての矛盾点、要望、疑義についての質問がしたためられていました。ページ数の多さから、ヒラマが即座に読解することは困難なようです。持ち帰ってから確認することにしました。


冊子の日付は荒れた総会の後、今年の6月17日。題名は「平成22年〇〇自治会通常総会議案審議に関する疑義について(要望)」です。宛先は自治会の代表、監事、議長。写しを自治連合総本部代表と当日の来賓宛にしてありました。出している人は、有志代表として、自治会に永年居住しており、昔は自治会役員を長く勤めた経験のある、長老の名前がありました。


書面による回答期限は今年の7月末日です。


ヒラマは古い話だなあ。今は晩秋。オレが自治会から時系列に矛盾のある封書を郵送で受領したのは11月12日到着だ。8.9.10.の3ヶ月の間になにがあったのか・・・。


荒れた総会で「おだずなよ」と叫んだジャージのおじさんは、名前を田舎といいました。(方言を使いますので、田舎となります。オヤジギャグです)


田舎さんはこの、分厚い質問状を、ここに集まったメンバーと、参加はしていないが同じ危惧を抱いている仲間たち有志で作成した。同じ文書を数通、郵便で自治会の役員などに送付して、文書解答を求めた。しかし、質問返信期限までのこの質問状にたいする回答はなかった。


何度か同じ質問をしたが、口頭での質問には応じるが文書は長すぎるので解答できない。として数ヶ月が経過した。会費集金が「暫定」であるとの主張はいまだに訂正はしていない。さらに、総会の後にわざわざ全自治会会員に文書で「暫定である」として、ウソの主張をくりかえした。


今回数字についての訂正文書が来た。質問状の内容のごく一部についての対応だ。のらりくらりと、時間稼ぎをして切り抜けようとしているように感じる。ここに集った有志は、一歩も引くつもりはない。


総会資料の数字の訂正文書が送付されたことで、少なくとも、監事が厳正な監査を実施していなかった疑いが発生した。総会資料にサインをした文書がある。このことは実に重要である。


総会を欠席した会員・委任状を提出をした自治会員は、監査結果を信じ委任をしたことも十分に考えられる。監事を信用したにもかかわらず、不誠実な結果となったことは明白だ。この監査結果を信じて、提出した委任状の数字を取り込み、総会の議案を議決するにいたったのだ。この監査上の問題点を徹底的に追求することが必要になってくるだろう・・・。


と、あの日のリラックスしきった服装で、ズーズー弁丸出しだった田舎さんは別人のように冴え渡っていました。重鎮としてのオーラまでただよっています。聞けば、わざと、町内の集いでは地元言葉まるだしにしているそうです。


仕事とプライベートの言葉を使い分けて、メリハリをつけているとのことでした。あの総会は、家庭の方の分類でしたから、東北弁でした。今日は、総会の矛盾の追及の会議のため、もともとのクセでつい標準語になるのだとテレながら説明してくれました。


懇親会参加は遠慮して、早めに自宅にもどったヒラマは、田舎さんたちからもらった文書を、家具調コタツの上に置きました。缶ビールを冷蔵庫から出して、一口飲みながら・・・。


まったく。せっちゃんといい、田舎さんといい、脳ある鷹は爪を隠すんだなあ。


と先ほど別れた自治会の有志のメンバーたちを思い出しながら、ヒラマはつぶやきました。


役員さんたちは、田舎さんや、品川さんたちの実力に気付いていないのかもしれないな。全自治会住民あての文書に、オレが東京に電話一本した程度で見破れるウソを、わざわざ文書まで作って配っているんだから。このまま責任をとらずに過ごせると、本気で思っているんだろうか?とコタツにスイッチをいれながら思いました。


ところで、オレは住民の方たちに、どこまでの説明義務があるんだろう?と、自分の仕事の範囲をイメージするために、まだあたたまらないコタツに正座して、分厚い冊子を読み始めました。


ヒラマの座布団の脇にころがった新聞には、「政党の資金を横流しか?」小さな見出しがありました。新しい政党を結成したときに、古い政党に残っていた資金はどこに行ったのだろうか・・・。ある大物政治家の資金の流れを根気良く追跡した新聞記事が印字されていました。


つづく





2010/11/29 16:35:56

減額 事実確認A

創作を再開しましたら、アクセスが増加中です。ついに昨日は自己新記録でした。ありがとうございます。気合をいれて頑張ります。


嘉子の創作「減額・番外編」つづきです。


品川さんの名刺を探し当てたヒラマは、時間的に会社へ電話をしました。品川さんはヒラマを覚えていて、早速明晩会うことになりました。


ヒラマが品川さんに電話したのは、管理会社が賃貸物件の居住者から自治会総会出席について、委任状をもらっていたからです。ゼンカンチュウイギム。漢字では「善管注意義務」。善良なる管理者として注意をはらう義務があるからです。


仕事をする上で、善良に仕事をする。管理義務もある。ということです。不実な行動疑惑のある自治会役員の行動。証拠の一部を知ったヒラマが問題を放置することは、委任をした、管理物件の住民たちにたいして、「善良ではない。」と考えたからです。


自治会エリア隣接地域にある、アーケードから一歩入った歓楽街の居酒屋には、せっちゃんと品川さん。ジャージのおじさん。その他数人の人たちがすでに個室で仕切られた予約席に到着していました。重要な話がもれない造りになっていました。


大テーブルに集い、軽い自己紹介のあと、本題に入りました。ヒラマは、暫定ではないのに、自治会の役員さんたが総会で会員のみなさんに、真っ赤なウソをついていたことを見破ったことを説明しました。証拠のコピーをそれぞれに手渡しました。電話で東京に問い合わせ確認をとったことも伝えました。


「どおして、みなさんは何もしないんですか。」とヒラマは少し強い口調で品川さんたちに問いかけました。すると誰からともなく、「やっていても、のれんに腕押しなのさ」という答えが返りました。そして分厚い冊子のコピーをヒラマに突き出しました。


冊子を前に、個室のメンバーが固唾をのみヒラマの視線を見詰めました。


つづく





2010/11/29 9:34:58

減額 事実確認@

嘉子の創作「減額・番外編」つづきです。


ヒラマがかけた電話の相手は、自治連合会の総本部でした。品川さんが質問した、自治会運営協力金の根拠と、自治会会費の減額がどのように議決されていたのかについて確認をするためでした。


自治会の代表はあの荒れた総会で、自治会費の値下げは「暫定措置である」と断言していました。でも品川さんは「確認していいですね。」と自信たっぷりに見えました。ヒラマはもしかしたら自治会の役員さんたちの方がウソをついているのではないだろうか。と疑いをもったのです。


自分はあの日、ミスをちゃんと直して会員の皆さんと正しい判断を後日に話し合うための方法を提案したのです。あんな形で散会したことが、どうにもひっかかります。自分の就職先の管理会社の預かり金問題にとっても似ています。


総本部は東京に所在するだけのことがあり、流暢な標準語でインテリ風の空気が漂う受け答えです。自然にヒラマはカチカチに身構えた言葉遣いになりました。電話の先で、事務の女性から担当の男性職員に交代しました。ヒラマは経緯を話し、核心の部分について問い合わせをしました。


「何件か、やはり同じようなお問い合わせを頂戴いたしました。この自治会連合会で議決した、自治会費値下げは、暫定ではありません。」と結果をたんたんと説明してくれました。


「運営協力金については、それぞれの自治会さんの方針ですから、総本部ではまったく関与はいたしません。これ以上はこちらではお答えいたしかねます。会費の議決については、毎月発行している自治会の広報誌にも掲載しています。書面が必要でしたら、その広報をご覧いただけませんか?」ということでした。


ヒラマは、会社に保管してある本棚のバックナンバーを探しました。


「月刊自治連合」といういかにも昔からあります。というタイトルの本でした。自治会連合会の広報誌は、無難な風景写真が表紙のA4サイズです。落ち着いたカラーで彩られていました。薄っぺらな冊子が1ヶ月ずつ、発行月ごとにきれいに社内保存してありました。賃貸マンション建設のときの対策のためです。管理会社は自治会と仲良くするための情報源としてこの冊子は大事な参考資料なのです。


さすが女性事務員さんだなあ。ヒラマは相棒の同僚に感謝しました。どんなささいなものでも、欲しいものが探しやすいように行き届いた管理がされています。ヒラマは自分の会社の事務処理の見事さに感動しました。


月刊自治連合の2009年7月号に、この自治会の品川さんへの答えがありました。17ページ。第4号議案。ヒラマはこの広報誌のコピーをとり、冊子には付箋をはりました。


総本部への問い合わせや、配布されている会報で、あの自治会の住民多数が役員が総会でウソをついたと、とっくに見抜いていたのです。代表者が断言した例の「暫定」の説明が、まるっきりのウソッパチだったことを広報誌の文書で確認していたのに、住民たちは何ヶ月間もなにもしなかったのだろうか?


ヒラマにまでは知らせてもらえなかった空白の数ヶ月。自治会の住民ではないので、仕方がありません。ヒラマは机の引き出しを引きあけ、いくつかのプラスチックケースの箱をひっくり返し、あのときの名刺を探しはじめました。


つづく






会社概要

会社名
(有)グラントップ
カナ
グラントップ
免許番号
宮城県知事免許(5)4809
代表者
山田 嘉子
所在地
9811107
宮城県仙台市太白区東中田2丁目1−38
TEL
代表:022-741-0730
FAX
代表:022-741-2335
営業時間
09:30〜17:30
定休日
土日・祝 毎週水曜日午後
夏季・年末年始・大型連休
最寄駅
東北線南仙台
バス乗車4分
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バス停歩3分
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