減額 選出の判断
嘉子の創作「減額・番外編」続きです。
ヒラマはテレビニュースから流れる画像に釘付けになりました。ユーチューブで尖閣諸島事件のビデオが流出したとするものでした。制止を聞かずにぶつかってくる青い海に浮かぶ漁船。黒煙上がる船の画像は想像はしていても、見て確認をするのとでは、真実への受け止め方が違います。
日本人の大多数が、ビデオ公開は当然だと認識していました。与党はかたくなに隣国への遠慮なのか隠し続けようとしていたものでした。逮捕覚悟で、海上保安庁の職員が行動を起こしました。ビデオ公開がなければ、あたかも日本がありもしないことをでっち上げたかのような空気にさえなりそうな風評まで出掛かっていたので、ヒラマは事実をやみに葬られることを恐れていたのでした。
彼らは、命がけで日本の国土と安全を守ってくれています。せっかく逮捕した船長たちを釈放された無念さは計り知れません。職員が逮捕されずにヒラマはほっといたしました。
その後、弱腰外交の指摘の中に、閣僚人事で特筆すべきものがありました。ヒラマの居住する県内から選出された女性国会議員は、数年前に自国の旗にバツ印をつけて、写真に納まり、デモ行進をしていた事実があります。
国家を守るべき重要な立場です。日本国民の税金を受け取り、日本の国益のために働くべき立場にいながら・・・。私たちの税金から歳費を受け取り、自国を守るよりも、他国といっしょに自らの郷土を蔑む行いをしていたのです。「日本の国会議員のくせに嘆かわしい!!」と言いたい気分です。
それもこれも、この人に投票をした人たちがいる。
そして、選んだのはヒラマの住む町の人々です。
選挙区でこの議員が獲得した議席があるから、国会議員になってしまっているんだ。責任は、投票をして選んだこの県民にもある。もちろん、総理大臣の任命責任は重いが、もともと議員でなければよかっただけなんだ。
投票のときに、その議員がどんな活動をして、その活動結果が何を招いてしまうかも考えず、イメージだけで大衆が票を投じる怖さをしりました。
良く知らずに、知ろうとして努力もせず・・・?一方で、細かな政治認識をチェックするべきすべも持たず・・・。まさか彼女がこのような活動をしていたなんて。きちんと知らずに、革新政党所属であるという期待のみで得票数を積み上げたのかもしれません。日本人としてどのような歴史認識を持ち、朝鮮との関係は何があるのかを知らずに、票を投じた選挙区の有権者もいたことでしょう。
阿久根市の議員と市長の対立。名古屋市長のリコール問題。日本の民主主義の運用方法はこのままでいいのだろうか。議会制民主主義の名の下に、首長でさえも、手腕を発揮できなくなっています。
市民と格差を是正し、赤字を削減するために改革を進めたい市長さんたち。赤字財政なのに、市民の数倍の給料を受けとり続ける地方都市の公務員や議員たち。自らの立場と利権を守るために、市税の枯渇を放置して、役人と住民との所得格差を知りながらも、改革を妨害する議会。「公僕」という言葉は平成の世の中では死語となったのかなあ。
自治会の役員さんたちだって、地域がえらんんだから仕事をしているんだ。変な集金をしていることを知りながら、一度選んだばかりに、解任することもままならない。自治会の住民たちの質問も無視され続けている・・・。
ヒラマは人事こそが、組織の命で、軽はずみな投票行動が一つの国を滅ぼし、地域を粉々にし、取り返しのつかない結果を生む民主主義という名の怖さを知りました。
つづく
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