減額 光の道A
やっと今年初めての積雪です。ホワイトクリスマスそのものですね。店の前の国道4号線バイパスはそれでも、師走の賑わいです。お仕事は忙しくても、ぜひスリップしないように注意してゆっくりと運転をしていただきたいです。
嘉子の創作「減額・番外編」つづきです。
ヒラマの進言むなしく、管理会社・菅は自治会総会での出来事を、管理している賃貸マンション・アパートの住民たちに知らせることを却下しました。
菅がヒラマの考える「正義」のための行動をしないのは、自分を管理職に推薦しているバックの会社の同僚や上司たちが、「預かり金問題」で、家賃をちゃっかり多く集金したり、住民を監視するために内偵しているからです。
似たような事案をわざわざ、アパート住民に知らせるなんて、自ら墓穴を掘るようなものです。管理会社の収入にもならないことに、コピー代と手間とガソリン代をかけて、わざわざ賃貸アパート建設の圧力団体にもなりうる自治会を責めるなんて、今後を考えても、なにもいいことはありません。むしろ何回も住民が入れ替えがあった方が、仲介手数料が稼げるから、かえっていいくらいだ・・・。そんな腹黒い計算までしています。
アホらしい・・・。菅はとりあうつもりはありません。
ヒラマは考え抜いた方策を却下されてしまいました。悔しい思いを胸に、上司に逆らうわけにもいかず、むっつりと黙り込み自分の席に戻りました。新聞には「光の道」の選択を求める意見広告がありました。
光ケーブルについてのA案とB案。一気に時代の流れをつくる案と、ゆっくりとやる案。という風にヒラマは分析しました。どちらの言い分がいいのか素人のヒラマにはわからないけれど、意見を意見として言える日本っていいな。と思いました。
ある時期には、タブーばかりの社会だった。北朝鮮の拉致問題だってみんな知っていたのさ。日本海側でデートするとさらわれてしまうって・・・。でも知っていること、ホントのことは、北朝鮮に関しては絶対に口に出して言ってはいけないという、強烈なベールが社会にあったんだ。腫れ物にさわるように。
あの時、勝手にタブーだということにせずに、だれかが、きっちりと拉致されている事を取り上げて、ちゃんと国際社会で戦ってくれていたら・・・。言論をマスコミがとりあげて、社会全体で立ち向かえば、アノ国の核開発だって阻止できたかもしれなかったのに・・・。この何年かの間に、日本人が世界で一番大嫌いな核兵器の技術力を向上させられてしまいました。
責任の一端は、マスコミの弱腰対応にもあるはずだし、ソレを糾弾できなかった日本の読者自身の危機管理意識欠乏にもあるんじゃないか?
タブーを作り上げる社会。その後に迎えるさらなる危機。ヒラマは自治会総会を住民にしらせないことを放置する社会は、きっと核開発を容認する社会につながる。自分の出来ることは、身近でささいなタブーをゆるさない行動を積み重ねることだ。と考えています。
光の道の広告を打つ会社だって、もしかしたら、違った意味での「タブーへの挑戦」なのかな。
オレのしていることは、きっとその一番小さな行動。管理職・菅がダメなら次は、どんな方法があるか。ヒラマは会社で頼りになりそうな人物がいないか思案をめぐらし始めました。
つづく
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