震災の盲点「給湯器」
日ごろから地震を恐れて暮らしていた私。ブログでもたびたび披露してきました。失敗例がありますからここで披露します。それは自宅の設備。ひっそりと「分散」していたのですが、ひとつだけ「とほほな結果」だったのでご参考にしてください。
我が家は、プロパンガスで料理をします。灯油給湯器でお風呂に入ります。電気は普通に東北電力さんです。オール電化やソーラーシステムとは無縁な少し昔に建築された住宅です。自宅前の道路には購入したときからとっくに都市ガスが来ています。しかし、震災の時に復旧に手間取ることは予測できていましたから、わざとプロパンのままでした。
えっ?都市ガス引き込み工事代金をケチッただけだろうって?まあ。そうともいえます。(笑)。工事代金と安くなるはずの都市ガス使用料金を計算するとメリットは期待薄だったのは確かですね。でも、それ以上に災害への備えの視点に重点を置いていました。
これでまあ、何事があってもそこそこのはず・・・。と思っていました。幸い水道は、この周辺エリアは水道管の耐震化工事を最近していたらしく無事だったのです。水は、井戸にすると、給湯器の劣化が早まるために特殊な器具が必要となります。井戸は停電時の影響ってあるのでしょうか?よくわかりません。昔式に手動で汲上げできるタイプが確実でしょうね。とにかく我が家は水道です。
さて、問題の震災が発生しました。水道は少しにごり水。その後無事。電気は停電。プロパンガスは一度揺れを感知して止まっていましたが、その日のうちに使えました。給湯器。灯油だから大丈夫のはず・・・。ですが、停電するとお湯が出ない!! 灯油はたっぷり買い置きしていたのに、お風呂も食器洗いも冷たいままです。ちなみに、ガス給湯器だったとしても結果は停電ですから、やはりお風呂はムリです。
つまり灯油給湯器に電気が必要。この問題を解決するためには、電池でも動く給湯器の着火装置・温度調節装置の開発を求めたいな・・・。という気分でした。長府さん。パロマさん、その他の給湯器屋さん。ぜひおねがいいたします。誰ですか?ソーラーシステムの太陽光発電つければいいだけだろうって・・・。
減額 被災状況の個人情報
嘉子の創作「減額」続きです。
アパートを借りていた息子の母親は被害状況確認に困惑していました。母親の家の区域は、東日本大震災で、被災地となったため、所属する会社、地域サークル、団体、趣味の集まりなどで「被害はどうでしたか?」とするお尋ねがあるのです。
「またなの・・・。」と母親は思いました。役所・役場や、損害保険・生命保険会社には自分で手続きを完了しています。自分が必要だと考えているものについては、新聞やインターネットでやるべきことは確認済みです。一つひとつ行動をしてきたのです。
「なんで、会に所属しているからといっていちいちこんなに、細かく聞いてくるのかしら?私が無事。それ以上のお付き合いが必要な関係でもないのに・・・。義援金として被災者にお見舞いをくれるというならわかるけど。だとしたら、それ以前に、所属の会員さんの総意・合意をいただいてから、お見舞いをするのが順序よね。お見舞い金支給のための調査として明示して調べに入るはずなんだから。どこにもそんなこと書いてないわねえ。この調査に答えたとしてもお見舞いのお金がもらえるようでもなさそうね。」と考えました。被災をしてから、母親は、お金についてはもともとの節約趣味・蓄財趣味に磨きがかかりました。一層シビアに注意深く計算しています。
「だとしたら、手間がかかるのに、調査するなんてへんよね。調査をするメリットもなく調べるなんてどおしてかしら?使用の意図を明確にしない調査って気味が悪いわねえ。ただ、いきなりどうでした?と聞かれたとしても、答えて大丈夫なのかしら。なにか売りつけられたり、霊感商法のセールスに悪用されたらいやだから、安易に答えないことにしましょう。」と思いました。被災地には詐欺商法が横行する恐れがあるとして、注意喚起されていました。母親はせっかくの注意を守ることにしました。この注意深さで津波被害から九死に一生を得たのです。
玄関のチャイムが鳴りました。御願いしていた件で来訪した人でした。調査員の名札と身分証明を明示して訪問の意図を明かして質問を開始しました。母親は、こんな風にきちんと調査意図が明確で丁寧な説明なら、ちゃんと答えるのに・・・。と手際よく仕事をこなせるように協力をしました。
つづく
減額 管理会社の人事
嘉子の創作「減額」つづきです。
管理会社・菅は尾宅と久しぶりに居酒屋に行きました。知り合った当時は半ば脅迫するような主旨でアパートの住民を監視させていましたが、大家様から3000円問題で管理をはずされ、尾宅の就職を実質的に手伝い・・・。結果としていまでは職場の友人となっています。
「今年の人事異動。どうなるんでしょうね。」と今ひとつ精彩が無く現状維持をつづける菅に、尾宅は尋ねました。尾宅は新人ですから、出世レースには無縁すぎる話です。ただし、上司がイカレたヤツだけはごめんだぜ。と思っています。内部事情に少しずつ明るくなってきた今では、上司の欠点・アラサガシが日常の仕事になるさもしい仕事ぶりでした。炎天下のローラー営業に耐え職業を維持してきた尾宅にとっては、上司〇〇に好感を抱く理由はありません。
「さあねえ。自分がしたいポストに立候補して、職場のみんなで投票をするという話もあるよ。ただし立候補といっても、なかなか立ち上がりにくいらしいんだ。人事部から通達はあったけど・・・。」といまひとつ菅の表情は冴えません。
「菅さんは、誰を推薦するんですか?」「オレ?だれかのカラーを出したら激しいイジメにあうじゃないか。そんなリスクのあることをできるものか。」と菅。
実質的に選挙といっても形だけで「民意」ならぬ「社員の総意」を演出する形骸化したものだろうなあ。と管理会社・菅はつぶやきました。
新聞では、統一地方選挙の再延期が決まっているようです。震災のために、天下国家を論じたりはしなくていいことになったのでしょうか。身近な問題を改善するため心をくだく余裕はほとんどの人になくなってしまったのでしょうか?
震災で品薄になり、久しぶりに味わうことのできた生ビールをちびりと飲みました。
つづく
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