2011/04/28 11:04:23
減額 管理会社の人事
嘉子の創作「減額」つづきです。
管理会社・菅は尾宅と久しぶりに居酒屋に行きました。知り合った当時は半ば脅迫するような主旨でアパートの住民を監視させていましたが、大家様から3000円問題で管理をはずされ、尾宅の就職を実質的に手伝い・・・。結果としていまでは職場の友人となっています。
「今年の人事異動。どうなるんでしょうね。」と今ひとつ精彩が無く現状維持をつづける菅に、尾宅は尋ねました。尾宅は新人ですから、出世レースには無縁すぎる話です。ただし、上司がイカレたヤツだけはごめんだぜ。と思っています。内部事情に少しずつ明るくなってきた今では、上司の欠点・アラサガシが日常の仕事になるさもしい仕事ぶりでした。炎天下のローラー営業に耐え職業を維持してきた尾宅にとっては、上司〇〇に好感を抱く理由はありません。
「さあねえ。自分がしたいポストに立候補して、職場のみんなで投票をするという話もあるよ。ただし立候補といっても、なかなか立ち上がりにくいらしいんだ。人事部から通達はあったけど・・・。」といまひとつ菅の表情は冴えません。
「菅さんは、誰を推薦するんですか?」「オレ?だれかのカラーを出したら激しいイジメにあうじゃないか。そんなリスクのあることをできるものか。」と菅。
実質的に選挙といっても形だけで「民意」ならぬ「社員の総意」を演出する形骸化したものだろうなあ。と管理会社・菅はつぶやきました。
新聞では、統一地方選挙の再延期が決まっているようです。震災のために、天下国家を論じたりはしなくていいことになったのでしょうか。身近な問題を改善するため心をくだく余裕はほとんどの人になくなってしまったのでしょうか?
震災で品薄になり、久しぶりに味わうことのできた生ビールをちびりと飲みました。
つづく
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