暴力マンガなんて見たくないし見せたくない
今、残酷で暴力描写が激しく、歴史的事実に誤認を与える記述がある特定思想に偏ってい.るらしい何十年も前の古い有名なマンガで騒いでいる人たちがいます。図書室の「閉架式」に移したということが、まるで社会問題かのように、取沙汰したがっているようです。閲覧制限などと書いてあるものまであって、なんじゃこりゃ。という感じです。
私としては、閉架式扱いに賛成です。読みたければ希望して出してもらって読めばいいだけのことです。もしかして、図書館の「閉架式」とはどういうものかの意味も知らずにお話しにならないレベルで青筋たてて騒いでいるわけじゃないでしょうね・・・・。閲覧制限と書かれると、その・・。まさかとは思いながらも勘違いしてる人がいるのかも・・・。
図書室にどのような本を置くかは、ある程度、それぞれの自治体や学校で独自裁量があってしかるべきです。図書館によって違う本があるのを探し出したり、わざわざ読みに出向くのが趣味の本好きはたくさんいるのです。「古い本」に占拠されて新しくて時代に即した良い本を置くスペースが狭めらる懸念もあります。
暴力の仕方や、いじめの仕方を、漫画やテレビアニメやドラマで公開していることがとても嫌いです。石原元東京都知事がある種の図書の制限を提唱していたときには良いことをおっしゃる。と思い聞いていました。
今回問題となっている漫画は、聞くとこによりますと相当表現が醜悪なようです。表現の自由の必要性は認めますが、年齢にもよります。学校ではぜひ子供たちに読ませたい、心清らかに崇高な理念を呼び覚ます素敵な本がたくさん世の中にはあるのですから、そういったものをぜひ図書室の陳列棚に置いていただきたい。不特定多数が容易に見ることができる場所に置くものは、適度な制約があるのが大抵の人にとり居心地がいいはずです。
仲良く遊ぶことだけしか知らなかった無垢の子供は、育ちながら、悪い映像などの影響を受けてしまいます。見たり聞いたりしたものを通して、いじめや暴力という概念や行為を知ります。社会に悪質ないじめが蔓延する社会になってしまいました。
はじめから、子どもには、悪いことの方法になるべく近づけない工夫が必要です。
いじめられっこは、いじめの仕方を公開さたり、ドラマでいじめの場面が増えたことで数が減りましたか?むしろ、被害は増え深刻化したように感じています。いじめをとりあげればとりあげるほど、へえ、こんな風にやるんだ。が、転じて、旬、今風、かっこいいかも、やってみたい、と感違いする輩がいるのです。戦争をあまりにクローズアップすれば戦をしたがったり、妊婦さんに残酷なことをしてみたいなどというとんでもない興味や欲望をもってしまったらどうするんですか。知らなくていいことを知ったばかりに。
だから、「暴力行為のある表現に目を向けすぎない。」それがいいのではないか・・・。やや扱う場面が違いますが、麻生さんがいつか言ったように、「静かに・・・」という手法をここでも学んでみるのもいいはずです。
アイドルの飛び降り自殺のせいで後追い自殺が増えた当時、放送を自粛してから、後追い自殺の事態は沈静化に向かいました。江戸時代に心中ものを世間に広めなくなったことで結果的に心中数が減少したそうです。「広めないことが悪いことを減らす。」そんなやり方もあります。
いじめなんて、古臭い、ださい。いまどきいじめ?。まだあんの?、ちょーダサッ。キモイ残酷まんがなのに、いちいち学校で読まされなきゃなんないなんてマジまっぴらだよね。
という感想をイマドキの子供たちが思うようになると困る人がいるのかもしれません。いじめ問題や戦争責任をネタに記事を書く新聞、マスコミ、雑誌です。教育関係者が立派な人たちだと、平和でいい子ばかりだと、目を引くネタがないからです。
開架を望む人はどんな物を読ませ、どんな子供にしたいと考え、騒いでいるのでしょう。自分の子供にはもうとっくに例の漫画を愛読書に読ませているのでしょうからいちいち図書館の本を今更あてにしなくても家に所有くらいしているんでしょう?今更、閉架式にしたくらいであれこれ騒ぐ必要ないはずじゃないですか。
良い本、愛される本、読ませたいと願う本は親がお金を出して買い与えて見せればいいのです。良い本は手元に置いて手放せません。枕の草紙も源氏物語も、何百年経ってもいつでも、どの書店でも、外国でさえ翻訳されて売っています。買う人がいるからです。本の真価は今の本屋さんの店にあるかどうかである程度測れます。
平成25年の今、例のマンガ本がどの地方都市の店頭にでも普通にあるのか、無いのかで世間の判断が容易にわかります。出版停止にはなっていないはずですから。
悪いことや悪いことの仕方を、図書で社会に具体的に教えることは、悪者への悪教育、罪悪の流布という危険性と隣り合わせです。そんなことまで考えて図書の配置に十分に気をつけていかなくてはならないように感じています。
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