ノーベル平和賞受賞後の世界
初の黒人大統領としてバラク・オバマ氏がアメリカ合衆国に誕生してほどなく、世界を更に驚かせたのがノーベル平和賞の受賞でした。就任演説は世界をうならせ熱狂的興奮が映像を見るこちら側にも伝わったものでしたが、平和賞となると、賛否が分かれました。オバマ大統領がノーベル平和賞を受けたのは、まだ、仕事を成し遂げる前の出来事でした。当時は「これからの期待」という見方を大きく取り上げられていたものでした。
では、再選を果たし最近の世界で起きていることはどうでしょう。
アメリカとロシアはクリミア半島の住民投票後、どのように地図を作り上げていくのかの政治的駆け引きの真っ最中。冷戦の復活か、第三次世界大戦になるのではないか、と心配する声があったりもします。どの国とて鎖国することもできず、解決はどうも容易ではなさそうです。
一方、オバマ大統領の態度として同盟国日本に対してはどうだったろうと振り返りますと、我が国に対するけっこう粗末に感じる扱いが際立つように見受けられます。(ただし、東日本大震災の時にトモダチ作戦を展開し、被災地支援に掛け付けてくれたことは当時も今も感謝しています。)
では、発展途上国に関してはどうか?軍事縮小に向けた動きの陰にはなにか意図はないのか。地球各地で繰り広げられた政変のあった国々のデモの果てを見ますと平和にはほどとおいことばかり。
たとえもともとは独裁であったとしても選挙で選ばれた代表がまず「暴力的民意」で失脚します。その後は形ばかりの選挙をしても不満が残り結局、あちらが勝てばこちらが不満となります。権力闘争の繰り返しにあけくれ内乱が継続。出口を失い双方ともが共倒れしたままです。独裁という方法しか国を束ねる手段がなく、必要があるからこそ独裁体制が維持されていたのではなかったのか、とさえ逆説的に考えたくなるほどです。半波な民主化志向の求めがかえって悲劇を量産・継続させているように見えてしまいます。
さて、今回は勝手が違い、もうひとつの大国が強固な意志を持って動いています。民族を同じにする住民の意志をまとめ動いています。もしも、住んでいる人の望みと投票結果が同じとすれば、義はどちらにあるのかわからくなります。領土としての考え方をみますと、このやり方で、住んでいる人の数が多いとしても即、正義とも言い切れない。では、無視していいのか、と問われればそうもいかない。
世界でもっとも権威あるノーベル平和賞受賞者としてふさわしい手腕がいまこそ発揮されるよう願うしかありません。
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