2014/10/27 12:58:44

留袖デビュー

昨日大安吉日で親戚の結婚式がありました。他の参加者たちがめんどうじゃないの。洋服の方が楽なのに・・・。と反応する中、絶対に譲らずについに念願の留袖を着ました。


そう、あの親戚のおばちゃんたちが結婚式で着ている黒地の生地に裾模様のある着物です。どうしてそんなに「留袖」に執着があるのか。準備段階ではわたしの ♡・留袖 な感覚を時代錯誤的に疑いたそうな風さえ感じたフシがありました。


周囲は黒い着物よりもファッショナブルな今風の明るいドレスとかの方が華やかではないか。着物というだけで古臭く感じるようです。一歩譲って着物がいいとしても、なぜわざわざ他に無いわけじゃいのに、黒い一番地味な部類の留袖を着たいと望むのか議論となりました。(笑)。


着付けベテラン組の親世代は着付けの手間暇、片づけの面倒さなど負の意見を述べ、自分はもう着付けを手伝う気力もないのだから、と言い出す始末です。


でも、絶対に今回は留袖!!


とまさに執念にも似た思いがありました。末っ子の私は姉妹の婚礼では当時はまだ独身でしたので振袖でした。その後友人の結婚式に呼ばれても親戚ではないので留袖を着るわけにはいきません。ドレスや着物でした。


心待ちにした親戚の結婚式も途中でありましたが留袖着用を阻むことが続出していたのでした。たとえば、遠方での挙式のため荷物とか着付け予約の面倒さがありました。


あるときは、呼んだ方の要望で、留袖が1人だと母親だとすぐに相手方のご親戚にわかってもらえるのでできれば留袖は一人にしておきたいと言われました。その時は着物は着物でもわざわざ色つきの紋付にしたものでした。


季節の壁という課題もありました。真夏に留袖は・・・・。体調不良のためというのもありました。婚礼がタイミングとして私の病気上がり直後だったので地元だったのに着付けをする体力がまったく無かったのでした。


子供のころ、結婚式場の片隅に集まる黒い集団のおばさんたちは輝いていました。大人の貫録というのでしょうか。先輩的な落着きがありました。いつもと違うおしゃれなのだけれど、色物で媚びないといいますか。既婚者と未婚者の区別を歴然と示すあのカッコよさがしびれました。


今年は季節は秋、体調は万全、場所は地元、美容室は着付け予約できました。すべての課題がクリヤできたのでした。ねがうこと50+〇年、ついに結婚式場によくいる親戚のおばちゃんとして同化できたのでした。


親戚らしい正装のお支度の人がいると結婚式が格式高くなります。花嫁さんがより引き立ったのではないか、と自負しています。


着る前はめんどうとかなんだかんだと言っていた親戚たち。私の整った装いを見て大好評でした。論より証拠。着物はとても美しい民族衣装です。日本人の結婚式をより良くするために考えだされた伝統美を身に纏う喜びは期待以上のものでした。♡・留袖の思いは更に強まりました。





2014/10/23 10:37:23

中越地震から10年

久し振りに創作をしてみました。楽しんでいただけたでしょうか。日本はブログ大国のようですね。外国でもインターネットは普及していますが、個人が文章を書いて発信する量がずば抜けて多い、というデータをどこかで目にしたことがあります。


そのブログと、空想のお話とを混合させ夢うつつと現実の風刺がしたいな、と考えインターネットでしかできない、紙媒体では陳腐化する書き方、タイムリーな政治的時事ネタと創作を混合させるという手法を試みたつもりですが、まだまだですね。


でも、石巻出身の私にとっては紙媒体の本が一番好きです。


以前日本製紙石巻工場が東日本大震災の被災から立ち直っていく様子を描いた「紙つなげ」をご紹介しました。あの本を読んでから、石巻で本の紙が出来ていることを強く意識するようになりました。本に手を触れるたびにこれって石巻工場の紙かなあ。などと愛おしくなります。手触りや色合いを確認している自分に気が付いています。


http://d.hatena.ne.jp/fujipon/20140722


震災がありますとそうした、今まで無意識に触れていたものが特別な意味を成して心に響いてきます。一つ一つの物の大事さ、あの時無くて不便を感じたもの、困ったことが思い出されます。


日本の先人たちは「〇〇の神様」とすべての物を神様扱いしていました。その理由を実感として理解し共感できるようになりました。だんだん年齢や経験を重ねることで味わえる情緒をありがたく感じています。


今日は中越地震から10年目ですね。あの時、棚田の美しさ、錦鯉のこと、厳しい自然と地域を守る方たちの生活が被災によって紹介され注目されました。集団移転をした村を空撮し今朝のニュースで放送されていました。新しい生活がありふれた普通の生活になることがやさしい復興です。


私にとって震災復興の象徴が大好きな本の紙だとしたら、新潟や中越の人たちは何に手をふれて復興を確認しているのでしょか。きっとそれぞれの復興の感じ方をしているのでしょうね。





2014/10/22 10:07:10

創作 反撃 E

嘉子の創作続きです。登場する人物その他は架空のものです。


※※※


どうしてその人は反撃だなんて強い言葉を言ったのか、オタクさんは心当たりはあるですか。桜子は尋ねました。たかが条文の質問に対してしっくりこないのは、会議参加者だけでなく桜子も同じ気持ちです。


オタクはあくまでも私の推論ですが、と前置きしたうえで、その質問に答える能力が実は無かったんじゃないかな、と今では思っているのです。と言いました。


えっ。会議で受け答えをする側の主催者側なのにわからないってあるの?と桜子は思いました。すかさずオタクは言いました。そりゃありますよ。人間はすべてを知っているわけじゃないんです。苦手分野の立場にたまたま職責を与えられることは組織の中じゃ普通にあります。


だから、あたりの人達全員にとっては初心者レベルの事項なのに、トップだけが外から来て実は超初心者。助けを求めようにも、基礎知識が無くちゃ質問も何をどうするかもわからずに切れるしかないってことあるんですよ。今回の人の場合は、質問が自分の苦手分野だったのであたかも弱点をつく宣戦布告のように感じてしまったんでしょう。だから自分だって切り返すことができるぞ、という思いで反撃できる、と言ってしまったんだと思います。


ふーん。わからないとキレる。そうなのか。


では、周囲の方が補佐して差し上げればよろしんじゃありませんか。と桜子は素朴な感想を述べました。


オタクは、そうですね。でも、周囲が中級レベル、質問者が博士クラスだったらあなたはどうします。まずは休戦宣言して、裏付け資料を整えて次回に臨むしかないとかもありますよね。と「ドヤ顔」で反論しました。


桜子はあれっと思い出しました。ドヤ顔という顔の表現を覚えたのは最近のことです。東北には無い言葉でした。テレビの知識ですが、その大阪方面発で双方の知識差について最近考えたことがありました。


橋下市長が「中学1年の公民を・・・」とかなんとか言っていて、ネット上では「公民は中学3年だ」とネット民からするどく突っ込まれていたことがあったわね。、学科の年次まで覚えきれないのよきっと。たくさんお仕事があるから。とあの時は思いました。


なんでこんなことが騒ぎになっていたかがやっとつながりはじめました。あっあの話題って、先ほどオタクさんが取り上げていた面談の相手と市長が会う前振りの場外の話題だったんだわ。きっと・・・。と思い当たりました。


これは言われた側の人にとっては差別発言じゃないの?的に思えていたので記憶に残っていたのです。公人が特定個人を公の媒体を使って中学生云々とやじるのって「ヘイトスピーチ」というものに該当するのかどうかを桜子は判断できません。差別表現の定義は示されていないからどうのととても議論が騒がしくなっていたので、表現の自由とか言論の自由とかそれこそ公民の学習の基礎を見直さなくちゃと知識欲に目覚めつつあったのでした。


早くお部屋に戻ってその動画を見てみたいわ。と思いましたが、オタクの話はまだまだ続きそうです。これでは何時間かかるかわかりません。動画みたさを我慢できずに、話を聞きたいと申し出た言いだしっぺは桜子なのに、ちゃんと話を続けようとしてくれているオタクをついに制しました。


オタクさん、貴重なお話を伺うことができてありがとうございました。お疲れのところ足止めしてしまってごめんなさい。せっかくですのでご紹介いただいた動画を全部見たくなりましたの。もちろん、面談前の10分前から、がおすすめでしたよね。とオタクを立てて言葉をつなぎます。できましたら、このお話の続きを後日聞かせていただくということでお願いできませんか。と切だしました。


もちろんです。私がほんの少しでもご近所さんの疑問を晴らせたのならよかったのですが。と疲れを押してまで相手をしたのに長年の営業で身に着いた低姿勢で答えました。


管理会社の会議で切れた人と、ネット動画の短いけんか腰のやりとり、社内報の書き方と、テレビで流される使われた映像、使われなかった部分はどこかを探ったりコメンテーターの言い分、論調などを比較対象して考えてみると超受けますよ。といたずらっぽく笑いました。


オタクのくつろいだ顔は、自転車置き場から通して、今が初めてでした。互いに部屋番号を確認しました。オタクは名刺の裏に個人用メールアドレスを書き込み桜子に手渡しました。桜子は用心のため初対面のオタクに電話やアドレスは伝えませんでした。


オタクはあえて女性の桜子の個人情報を聞きたがる様子がまるでありませんでした。ある程度モテ女子を自任していた桜子はくたびれた男性にさえ興味を持ってもらえてないのかと、安心する反面肩すかしを食った残念感、敗北気分です。


当分月末処理と出張がありまして。次回は11月初旬まで出張です。その後でしたら時間が取れます。と事務的な口調で立ち上がりつつオタクが述べました。二人は11月に入ってから続きの物語をする約束をして各自の部屋に戻りました。


桜子はまた新たなネタをゲットしました。


あわててパソコンを起動して、キーワードを入れて動画を検索し始めました。でるわ出るわ・・・。市長さんと市民団体面談のカウントは何十万もを数えています。なんと100万件に迫ろうという勢いでした。それに対するコメントが無数に書き込まれています。


いくつものサイトに、いくつもの動画コピーがありました。世の中の人達がこんなにこのことに興味を持つ事案だったのだ、と数の多さに驚愕しました。言論の自由や表現の自由が失われたら、このコメントのいくつくらいが削除されてしまうのだろうと、桜子は想像してみました。


橋下市長は訴訟を起こしやすくするために税金で争い事をしやすくすると公言し始めていました・・・。弁護士の仕事を増やそうとしているのかな、と思いました。日本が訴訟社会にされちゃうのかなと感じました。


数分先は管理会社への興味でいっぱでした。しかし部屋を出る前と戻った後で違うものに気持ちが移っていました。表面上の時間はわずかなのに。


女心と秋の空って私のことね。と苦笑いしつつ桜子はクリックを続けています。


オタクは軽くシャワーを浴びて着替えを終え、賃貸マンションの外に出て近所のいつもの居酒屋を目指しました。振り返れば桜子の部屋の灯りが付いていました。あの部屋は昔、法子さんが住んでいたっけな。と思い出しました。


当時は飽きることなく見つめていたあの窓を、今日のオタクは一瞬で視線をそらし歩き始めました。


第一部 完




コメント一覧

No.11379 嘉子さんのコメント 2014/11/06 10:05:47
博士さんコメントありがとうございます。

No.11377 博士よりさんのコメント 2014/11/05 12:36:39
御疲れ様です。頑張って下さい。コメント本文


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