農林10号とご先祖様への参拝
連続テレビ小説「マッサン」の今朝の放送で若くして戦死した人が品種改良した麦で作っておいた原酒に、新たなウイスキー造りの希望を見出すシーンがあり涙しました。日本の兵隊さんたちや当時の日本人がのちの世代に託した思いや功績がたくさんあります。ここで語られたウイスキーのための麦はもちろん、しかしもっと広めていただきたい話があります。
世界の食糧事情を変えた稲塚権次郎氏による「小麦農林10号」という小麦の品種が世界の飢えを救ったというお話をご存じでしょうか。そしてそれが皮肉にも日本が戦争に敗れたことにより、めぐりめぐってインドやその他の国の多くの国民の命を救う結果になったと知りました。多くの日本人なら、たくさんの人の命を救うことができたことにうなずきを繰り返すに違いありません。
3月は東日本大震災のあった月だからでしょうか。お彼岸だからでしょうか。いつもの月以上にご先祖さまに手を合わせたくなります。彼岸の入日以来、あちらこちらのお墓にはたくさんの花が供えられています。ご先祖様の供養に出向く人達がたくさんいます。
幼いころはどうしてお墓に行くのかあまりちゃんとした認識がありませんでした。もちろん拝むのですが今より深みが足りずただついていっている風なだけでした。しかし身近な人の死に接する人生経験の積み重ねにより、ごく自然にそうした古来からの慣習が実は生きている側の人の心にも落ち着きをもたらすことがわかってきました。促されなくてもそうしたくなってきている自分がいました。だから宗教などという体系が確立していないであろう古代の遺跡にもお墓があり花を手向けた痕跡があるのですね。
ごく自然に戦死した方たちに手を合わせたい。そう願う人達がいて願う場所があります。なのに靖国神社に対し訴訟を提起されてしまっているのが今の日本です。英霊を被告席に座らせることを許さない国民の会 通称「英霊を被告にして委員会」 が立ち上がっています。国のために命を捧げた方たちに哀悼の誠をささげ参拝をするというごく普通の自由が萎縮させられ、侵害されている現状をそのままにしたくはないという人達がぞくぞく集まっているようです。
世界の食糧事情を激変させた功績と戦争との関係などに思いをめぐらせますと、70年前に一生懸命社会のために命を懸けてくれた無数の人達を敬う想いが湧き出て来ます。
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