実家の子供部屋
住宅を建築したり、戸建を購入しようとするお客様の多くは家族構成として子育て世代が多いですね。それから一定期間を過ごすと子供たちは独立して別の場所で生活を開始するため子供部屋として購入した空間はやがてその子供の荷物が残ったままで就学、就職、結婚後も子供らの荷物置き場になったりしているケースがあります。35年ローンのうち実際に子供が子供部屋に住んで使用している時間と荷物置き場と化している時間でどちらが多いのかな、などと思うこともしばしばです。
昼のテレビ番組でのこと。今では大人となり他所で暮らしている子供部屋の荷物は親が勝手に捨てたり片づけたりしていいものなのか。子供部屋にあった貯金箱の中のお金は親が黙って使っちゃってもいいものなのか、的なことを、ワイドショーがやっていました。古いおもちゃはコレクターの間で価値が出たりすることもありますのでなかなか面白い切り口でした。
多くの場合は実家は面積が広く、独立というか新たな旅立ちをした子供世代は狭いアパートやマンション住まいのために捨てるにはもったいないけどそこでは場所取りな衣類等の保管を実家に依存するパターンがありがちです。
さて、家の中での呼び名としてはいつまでも「子供部屋」扱いですが、実際は老夫婦の子は別の場所では立派に成人した大人です。すでに親だったりしています。いつまでも「子供扱い」のままでいいのかな。などと。実家に子供部屋、という「今の子供の家族が容易に入れない」第二の空間の存在を許し続けていることにちょっとした違和感を覚えるのです。なんか宙ぶらりんです。
提案なのですが、独立や結婚を期にすっぱりと部屋の主は誰なのか、荷物の権利関係を親子間でさわやかに話し合い、決めて置く。というのはいかがでしょうか。こうした取り組みをすることは互いの家や居場所、家族関係を頭にキリッと認識させます。大人として認められることですから子供にとっては親子間のけじめがつきますし、自信を与えるのではないかと考えています。
親世代にとっても、巣立った子供はこの家の住人ではない、と物理時に区切りをつけたことで、子供が過ごした空間に新たな部屋の主を入れることができます。夫や妻が趣味に使うも良し、その他の活用方法を始めるスタートを切ることができます。割り切って存分に自分たちの余生に活用できます。
あえてそうしない家が多いということは、実家の親としては、「家を求めた当時」の若くて楽しかった日々への断ちきれない未練のせいからかしら?
案外荷物を口実しないと里帰りしにくい「テレ屋」の息子や娘たちへの配慮なんていう別な理由からなのかもしれませんね。
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