2015/09/16 10:01:12

新戸部稲造記念館の騒動

元5000円札のお札にもなるほどの日本の偉人である新戸部稲造氏。武士道を世界に広めたことで知られています。その「武士道」とはなにかを読み解くための資料、元となった大事なお宝たちが今、危機に晒されています。


同氏を記念した新戸部記念館が、耐震性に問題があるとして十和田市が廃館を決めてしまいました。電気代の支払いを同市は止めました。事態は一刻を争います。空調を効かせられなくなるため、中に所蔵している文化財が腐食、カビ発生等の取り返しのつかない危機に瀕しています。そうなることを心配した有志の方たちが、電気代を払いなんとか維持しています。


文化財は公的施設に寄贈したほうが個人所有で維持するよりもかなり安心だろうな。これからは個人が宝を持っているような時ではないんだろうな。と私は漠然と考えて過ごしてきていました。


が、今回の事態を見まして実はそうとも言い切れないかもしれない。と改めました。行政側に自分と同じ価値観やモラルを未来永劫期待出来ると考え託すのは実はものすごく愚かな考えなのではないか。今まで持っていた価値観に重い石を頭からドンと落とされたような衝撃を感じました。


展示品の中には室町時代の鎧兜もあり470年も前のものがあるのだそうです。言うまでもなく、その保存された年月の大半は個人所有です。大事に維持してきています。その後よりよく保つために公とともに新戸部家の子孫が管理してきました。維持費用がかかるからといって、地方行政の市長や市議会メンバーの考えや思惑で寄贈を望んでいない所有者側に「寄贈をごり押しする」というのは果たしてどうなのでしょうか。


年間2300万円の記念館維持費が市の負担になっている。個人の財産を市がお金を払い維持するのはおかしい。それで新戸部家側に市への寄贈を求めている。との市側の主張を報じていたものがありました。記念館を廃館にするから所蔵品はいったんすべて返納する、というならわかります。寄贈つまりタダでくれ、とはなんぞや。はなはだ虫のいい話です。


数歩譲ったとして、寄贈を求めるのならばせめてお宝をちゃんと大事にしなさいよ。電気代も払わないようにして品質保持をわざとできなくさせる、外にブルーシートかぶせて山積みにしてゴミみたいに粗末に保管するなどという愚行をしている人達に何百年も守り通してきた文化財を寄贈してください、と請われて、はいどうぞ、と渡せる心境になれるわけがありません。


多くの美術館が絵画を買うために多額の税金を投じるように、新戸部家から寄贈ではなくお宝を時価で買い取るとしたならばいったいどれだけの税金の投入がこれだけの物をそろえるために必要かを冷静に考えてみてください。今の経費は人件費込みのようです。館内に常駐する人たちの人数があるのですから、当然そのくらいはどうやったってかかってしまうでしょうよ。と思いました。


耐震性が無いから記念館を廃館にする。だからお宝を市に寄贈せよ。というのはまるで焦点がずれています。目的は耐震性とは違うところにあるのではないかと考える人達がいます。


新戸部家側が調べて行ったところ、その記念館の建物が「弱い」と耐震診断を下した人物はなんと・・・・だった!!。まさにミステリー小説みたいです。この件は今、十和田市と新戸部家が裁判で争っている最中です。やがてどちらが正論なのかがわかります。法廷で真実が晒され明らかになることでしょう。






会社概要

会社名
(株)ネクサス
カナ
グラントップ
免許番号
宮城県知事免許(2)0006306
代表者
引地 由花
所在地
9840032
宮城県仙台市若林区荒井2丁目18−10
TEL
代表:022-724-7780
FAX
代表:022-724-7790
営業時間
09:30〜17:30
定休日
土日・祝 毎週水曜日午後
夏季・年末年始・大型連休
最寄駅
東北線南仙台
バス乗車4分
バス停名東中田六丁目分
バス停歩3分
メール送信はこちら
ログイン
 


このページのトップへ