スイーツは甘いもんじゃない?
「スイーツ」という言葉を、若い女優さんが、SMAPさんが料理をする人気テレビ番組で、お料理の注文として発言をした時に「?」「何それ。」と思ったことを突然思い出しました。番組の流れでそれが「甘味」のことらしいと、生まれも育ちも嗜好的にも言語的にも「こてこてに昭和」を自認する私が理解したのは数秒後でした。
食後のデザートなるものが洋食の後には出される。ケーキとかアイスクリームといった甘党には喜ばしいものの「ああいった甘い食べ物」は「デザート」と呼ぶと思っていました。なのにスイーツなる用語が当たり前のように発せられたのです。小さいながらも衝撃でした。でも、そんな風な言葉の変遷に拍子抜けしたのは今は昔。誰でもスイーツなどというハイカラな言い方であのテの物を総称しているらしいです。
らしい。というあいまいにぼかすのには理由があります。身近な人がスイーツなどとそんなごたいそうな言い回しで会話する交流は残念ながら拙ブログ主にはございません。昭和な人物の周辺は当然昭和人なのですから。
「甘いもの食べたいね。」はあっても、「スイーツ食べたいね。」とは、どなた様も言わないわけです。(笑)。
なんでこんな風にスイーツがどうのこうのと突然思い出したかと申しますと、「まるごとバ〇ナ」のせいです。生クリームとバナナをふんわりとしたスポンジ生地で文字通りまるごと包んだ例のアレです。お気に入りのお菓子のひとつです。太るのが気になり、スタイルが気になるから購入回数をガマンしつつ、でも耐え切れずにたまには楽しみます。
いつもどおり期待に胸をふくらませつついただきました。すると今回に限り「あれっ?甘くない。」と思ってしまったのでした。今迄のあの「甘味」があまり感じられませんでした。私の舌がおかしくなったか、と一瞬とまどいました。その後、お店側が健康志向の需要に合わせて糖分を抑えているのかもしれないななあ。とも考えました。
食べ始める前は太らないように2回に分けていただこうか。などと作戦を立てていました。でも甘さが足りず満足感がないせいでしょうか。一気に全部食べちゃいました。それでも達成感が足りません。これでは「スイーツ」と呼ぶにはあまりにも手ぬるいではないか。と昭和な味覚はもっとしっかりとした甘さを求めて空振り感が。
そうか。今時は「甘味」じゃないからこれでいいのかもなあ。スイーツはダイエット嗜好のこうした時代受けする食べ物の総称なのかも、と変な落としどころをこじつけて無理やり我が身を納得させたのでした。
スイーツと 言い換えられて 甘味さえ
昭和の感性 置き去りにされ
嘉子 作
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