創作 闇営業
吉本などをはじめとした芸能事務所に所属している芸人さんが自分の会社を通さずに直接仕事をしていたとして「闇営業」だと糾弾されています。反社会的勢力の人がいる場所だったとかなんだとか。
このように本来のルートではなくちゃっかり小遣い稼ぎをしたくなる誘惑というのは何も芸能界だけではなく世の中のあらゆる業界でありそうな話だなと昭和生まれ世代の方なら感想を持ったのではないでしょうか。
不動産会社ではこの手の会社に対する背信行為は珍しい話では無さそうに感じています(あくまでもブログ主の主観です)。
ブログ主得意の妄想作り話だとこんな風になります。数年ぶりになりますが久しぶりに創作をしてみました。
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A社社員の営業マン甲さんはA社から毎月定額の給料をもらっている。この会社は給料は固定給。成約してもしなくても毎月〇十万円貰えるが、仮に大口の契約を成約させたとしても会社から報奨金の上乗せなどのご褒美もまったく無かった。
甲さんがこの会社に就職した時に決めてとなったのがA社はクビにされにくいことだった。この業界ではフルコミッション、出来の悪い社員は数か月でクビになるのがザラなのにA社は安心して長期勤務が出来るのが魅力だった。安定した収入を大好きな不動産会社に勤務しつつ得られるのは夢のようだと感謝していた。
しかし他社のトップセールスマンらの高額な歩合をだんだんと知るようになる。同じようなことをしているのに自分はいつまでもこの平均値のままで定年になるのかと考え始めていた。仕事の対価をその仕事の度に得られる働き方が羨ましくなり始めていた。
色々な業者を回っているうちに仲良しになったB社の社長さんはけっこう気前が良いので有名だ。気さくな人柄でとても話の聞き方が上手だ。距離のある関係のためか自分の会社の上司よりもずっと話をしやすい。つい行き場が無い時に茶飲みに立ち寄るのを繰り返すうちに自分がどこの所属の人間かもわからないほど昵懇になってしまっていた。
ある日〇億円の土地売買の話が対象物件の近所の人の世間話で甲さんの耳に入る。なんでも相続を機に以前から多くの不動産会社が売りに出されるのを今や遅しと狙っていた大型物件がいよいよ動き出すらしいというのだ。
2年間もすったもんだしていた相続人らの遺産分割協議の調停がやっとまとまり、結局は長男の相続に決まったらしい。長男は実家を既に引っ越し〇市の〇マンションに住んでいる人だと判明した。
甲さんはB社社長との世間話の中で「ついうっかり」そのことを漏らしてしまい・・・・。
A社はその物件でそんな売り上げをとれるチャンスがあったことさえ想像もしないままだ。相変わらず甲さんを雇用し続けている。大きな成果がなかなか上げられない甲さんだけど仕方ないなあ。自転車で今日も出勤するAさんが実は裏で高額収入をモノにし、高級外車を所有していることは誰も知らない。なんてね。
おしまい。
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