Mr.トルネード を読んだ
「Mr.トルネード 航空事故を激減させた気象学者 藤田哲也 」
著・佐々木健一 小学館
を図書館の児童書コーナーから借りて来て読み終えました。感動の余韻にひたっています。藤田哲也氏は竜巻についての研究やダンウバーストの発見に途を開いた気象学者です。
ダウンバースト発見は、長崎の原子爆弾調査の経験によりもたらされたものだったと知りました。日本とアメリカとの因縁といいますか、縁といいますか・・・。多数の死傷者を出した無慈悲な人為的現象の記録が、後に自然の不可思議な現象、気象の学問に活かされ、人命を救う術へと昇華でき、航空事故防止の役にたっていることに驚いています。
著者は、藤田氏が回顧録にあまたの輝かしい研究者に与えられる賞や勲章を掲載する欄に「昭和14年 小倉中学 理科賞」を冒頭に大きく載せていることにスポットをあてていました。児童向けの書物として粋な選択、結び方に脱帽です。
藤田哲也氏が講義した記録として紹介されていた一部分を以下に抜粋します。
「私の生涯は、気象学の世界にありました。いつも厳しい自然現象を目にしてきました。自然はいつもやりたい放題です。時に不可思議なこともする。でも、私は何をする時も、原爆調査とこれまでの経験を思い返すことにしていました。
気づいたのですが、私は確証を得る前に人にものを言う傾向がありますね。
中略
特に若い世代に言いたいのは「恥ずかしがらず、言いたいことを言いなさい」ということです。 その半分は間違っているかもしれません。しかし残りの半分は正しいかもしれない。もしあなたの主張の50パーセントが正しければ、価値ある人生を送ったということです。幸運を祈ります」
子供の頃、計算尺を自ら作ってテストの答案を書いて先生に叱られた逸話、校長先生の尽力で学業を続けることができた話は時代が感じられて興味深かった。計算尺は知らなかったので知人に聞いたら知っているとのこと。ぜひいつかは実物を見てみたいです。
この偉人の伝記の背表紙に目が行ったのは、相変わらず桂小五郎についてわからなかったせいです。西郷隆盛や高杉晋作、伊藤博文などの伝記は陳列されてあったけど、桂小五郎単独のものは探せなくて・・・。近くにこれがあったので借りてみました。
老眼に優しい大きめな活字、漢字にルビがついているのが更にうれしい。写真や図がふんだんに掲載されていたのでとても理解しやすかった。目的の本が探せないままなのは、次回行く口実が残るのでかえって楽しいです。
コメントを投稿する
投稿したコメントは管理者が承認するまで公開されません。
その他ご利用上の注意点はこちらをご参照下さい。
お問い合せ