減額 上場準備
嘉子の創作「減額」続きです。
管理会社の新社長は、自分の地位が危うくなっているような、漠然とした不安の解消をどうしたらいいのか考えていました。すると、株式の上場で社員のヤル気とモチベーションがうなぎのぼりになったという、ヒューマンドキュメンタリーをテレビで特集しておりました。
「これだ!!」 新社長は、大義があり、社会に認知される目的を植えつければ社員は私こそ社長でありつづけるのが適任であると判断するに違いない・・・。そう考えました。それにはまず、意識付け、野心の植え付けがスタートとして必要です。ホリ○モンだって、株の売買で、揚げ足を取られ・・・。失脚はしたものの、あの頃は間違いなく、ひとつの時代の寵児であり、ある人々の憧れだったのです。時価総額世界一。リーマンショック後の世界では、古語ですが。
株式の上場は夢とそして、実利が期待できます。未公開株をたくさん持っていれば、社長の持ち株もすごい高値になるかも知れない。でも、どうしたら持ち株比率を上げることができるだろうか?。だいたい、上場ってどうしたらできるんだ?新社長はわかりません。とりあえず行動は早いにこしたことは無いはず。なにから手をつけようか?。
手っ取り早い方法は、社員に上場の話を、話す前に、自分が株式をいらなそうな人間から安く入手しておくのが一番そうに思えます。そうすれば、新社長自身の影響力と、持株比率が高まります。新しい一手の思いつきに歓喜の表情です。まずは、株を売ってもよさそうな先代社長の取り巻きから、株式を巻き上げる方法を考えよう。
まずは、人をとりこにするにはなんといっても、「金」だ。金をかければ人の心は買える・・・。新社長の発想はいつもここからわかりやすく出発できます。非主流派となった先代社長贔屓の、斜陽族の社員が狙いだ。まずは、接待漬けにして、懐柔策を取ったふりをしてみよう。そして、安く、株券を買い取ろう・・・。徹底的にゴマスリを開始することにしました。すべての人間が「金がすべて」とは限らないのにそんなことは、まったく頓着しません。
なんなら、どこかの政党みたいに、「ポスト」とか、なにか名誉そうなことを与える・・・。なんていう手もあるな・・・。株が手に入ったら格下げにすればいいだけだ。これなら、たいして時間も、金もかからなくて、紙ッぺら一枚くれれば、すむことだ・・・。次々に腹黒く案が浮かびます。
不安だらけの新社長から、上場企業の取締役の自分をイメージして、みるみる希望の塊になっていくのでした。・・・・。ホリ○モンだって、苦労するハメになってしまったのです・・・。株式から一歩距離を置いて、エンジニアだったら・・・。この結末を忘れているのでしょうか。
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