竹林はるか遠くの続編が出るらしい
大陸で終戦を迎えた少女ヨーコの感動物語の続編が出るそうです。アメリカの優秀図書として名高い「竹林はるか遠く」のことです。
続・竹林はるか遠く―兄と姉とヨーコの戦後物語
以前当ブログでもご紹介しました。その時は私は読まなくても朝鮮からの引揚者の話は知っているし・・・。的な感想を書いたものでした。ですが結局は、読みたい欲望が勝り本を購入し読了したのはだいぶ前になります。
その結果「いい本」として私に強く印象が残りました。アメリカ人もそう感じたからこそ、アメリカの子供たちの教材としてこの本を選んだことがわかりました。
なにがいいのかと申しますと、そうだっただろうな。という真実が察せられることと、漫然と時をすごさず頑張っていれば救いはいつかきっとあるところです。私が引揚者の方たちから直接聞いていた事が、そのまま本になっていました。半島から逃げ延びるために年頃の女性たちがことごとくあたかも男性のように髪を切った理由については、今更、詳しい説明など不要でしょう。知らないこともありました。日本に戻ってからの学校内での同級生らからの冷たい視線は胸痛むものでした。
文房具の調達のためにどうしたのか・・・。くつはどうしたのか・・・。今は春休みが始まり、明るい笑顔の子供たちがどこかに移動する姿を道でみかけます。新学期に備えた準備のためお店は賑わっています。どこの文房具店にもそれはかわいらしい色とりどりのノートや筆入れが満ちています。今では当たり前のように紙やえんぴつがあります。それどころか、意匠の凝ったものを選び使うことを普通に楽しむ暮らしが日常化しています。服も靴もちゃんとあります。
しかし70年前の幼いヨーコは、紙も鉛筆もくつも買うことはできません。ぽろぽろになった靴は成長とともに小さくなってしまいます。では、どうしたのか。学問をあきらめずに勉強をするまじめさ、苦難と闘いチャンスをつかもうとアンテナを立て、ついにつかんだ栄光がもたらした奇遇な再会があるところも読みどころのひとつです。
終戦後、言葉の隔たりのある遠い遠い場所から祖国日本を目指す逃避行は多くの当時の日本人が味わった悲劇でした。読了からずいぶん経ちましたが物語の各所の感動がまざまざと思い出されます。本の続編は、躊躇なく読みたいリストに入れることにしました。
もしもまだ竹林はるか遠くを読んでいない人は、ぜひ戦後70年を知る上でも、お子様と一緒に考える素材として語り合っていただきたいです。1か月後の発売が待ち遠しいです。
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