広さの感覚は「経験」で変わる。〜80平米の家は狭いのか?〜
家を買って初めて「広さってこういうことか」と思いました。
アパートでは気づけなかった、体感としての“ゆとり”。
多摩地区の建築基準をもとに、80平米・94平米・105平米でどう変わるのか。
実体験から導いた「広さの境界線」について、住んでわかったリアルをお話しします。
家を買う前、私は60平米ほどの3DKアパートに住んでいました。洗面脱衣所はなく、洗面台は廊下にぽつんと設置。だけど当時はそれが当たり前で、「まぁ広い方だな」とすら思っていたのです。
しかし、家を買って引っ越したとき、明らかに「広い」と感じました。
何の知識もなかったけれど、住み始めて数日で「あぁ、前にはもう戻れないな」と思ったのを覚えています。広さって、知識よりも“体験”でわかるものなんだと。
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▽ 多摩地区でよく見る家の広さとは?
東京都の多摩地区には「第一種低層住居専用地域」が多く、建ぺい率・容積率は40/80が標準です。
このエリアで100平米以上の土地があると、建築可能な家はおおよそ 80平米程度になります。
この広さで収まる間取りの一例は、以下のようなイメージです。
駐車場1台分
リビング15畳
収納付き居室6畳×2+4.5畳×1
脱衣所(1坪)と浴室
トイレ2か所
コンパクトな玄関
つまり「最低限の暮らしに必要な要素」がギリギリ詰まった構成。
このサイズ感が、私の中で“必要最低限の目安”になっています。
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▽ 広さが変わると、暮らしの質も変わる
たとえば建物面積が94平米になると――
6畳の居室や、シューズクロークなどの+αが実現しやすくなり、生活に少し“ゆとり”が生まれます。
(目安としては、土地116平米程度あれば、4LDK+駐車2台が可能)
さらに105平米クラスになると、こんな素敵要素も見えてきます。
リビング20畳以上
全室6畳以上
ファミリークロークやランドリールーム
書斎や趣味部屋の設置
ここまでくると、数字の広さ以上に「住まいの質」が上がっていく印象です。
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▽ 私なりの広さの“体感基準”
もちろん、家の間取りやデザインも大切です。
でも、それ以上に私は 絶対的な“広さ”そのものの効果を実感しています。
あくまでも私の主観ですが、こういうふうに感じています。
80平米:生活はできる(必要最低限)
94〜96平米:明確に「広い」と感じる
105平米以上:暮らしに“素敵”が宿る
もちろん、地型(敷地の形)や周辺環境によっても間取りの選択肢は変わりますが、
もし家選びで「数字」を参考にするなら、この感覚が役に立つかもしれません。
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▽ 最後に
家を探していると「何畳?」「間取りは?」という部分に目が行きがちです。
けれど、実際に住んでみて「広いな」と感じられるかどうかは、 数字×体感のバランスです。
今住んでいる家と比べて、広さがどれだけ違うか。
体感としての“ゆとり”があるか。
家選びの一つの目安として、参考にしていただければ嬉しいです。
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【株式会社ケイザン】
代表:木村大吉
TEL:042-502-3890
メール:keizan@office.zaq.jp
住宅ローンの不安と向き合うために 〜固定?変動?金利の話〜
家を買おうと思ったとき、多くの方が最初につまずくのが**「住宅ローンの選び方」**です。
その中でも特に多いのが、**固定金利にすべきか?変動金利にすべきか?**という悩み。
今回は、私自身の体験と、これまでの現場で得た知見を交えて、住宅ローンの考え方を整理してみたいと思います。
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◆ 固定金利と変動金利、どちらが正解?
結論から言うと、正解はありません。人によります。
私がまだこの業界に入る前、住宅ローンを変動金利で組みました。
同じタイミングで、従兄弟は固定金利を選んでいました。
金利に4倍もの差があったため、「なんでそんな高い固定金利に?」と、率直に聞いてみたことがあります。
彼の答えはとても印象的でした。
> 「不安を抱えて金利が安い変動より、将来の見通しを立てやすい固定に“安心料”としてお金を払ってる。それに価値を感じるんだよ。」
若かった私は、自分の価値観がすべてじゃないことを実感しました。
その後、業界に入ってからは借換のノウハウも身につけましたし、書類の扱いにも慣れています。でも、私は今でも変動金利のまま借換はしていません。
つまり私の場合、「変動でも不安がない」ので変えていないだけです。
あなたにとっての「不安」と「安心」の重さ次第で選ぶべき金利は変わるのです。
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◆ 金利はなぜ人によって違うの?
よく「住宅ローン金利は今2.6%くらいです」と聞いて、「え?自分0.5%なんだけど?」という声もあります。
これは実は**「優遇金利」**の仕組みです。
住宅ローンの金利は、「表面金利」から「優遇幅」を差し引いて決まります。
例えば、優遇を大きく受けられる人は0.5%で借りていたりします。では、どういう人が優遇されやすいか?
◎ 優遇を受けやすいケース
職業:公務員 > サラリーマン > 会社役員・個人事業主
自己資金が多い人
借入が少ない人
安定して高めの収入がある人(目安として年収400万円以上)
住宅ローンはあくまで「貸す側の目線」で審査されます。
そのため、羽振りが良くても収入申告が少ないと不利になります。逆に堅実な申告をしている方が、スムーズに通ることが多いです。
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◆ 住宅ローンを組みにくい人とは?
以下のような場合、ローン審査は厳しくなりやすいです。
✕ 借りにくくなる要因
転職したばかりで、収入の実績がまだない
健康に問題がある(団信の加入が難しい)
高額のローンや借金がある
申告している年収が極端に少ない
過去に債務整理など信用事故がある
家購入直前に高額なローン(車など)を組んだ
特に健康状態は重要です。住宅ローンでは「団体信用生命保険(団信)」への加入が基本。病歴や持病があると、この団信に加入できず、ローン自体が難しくなるケースもあります。
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◆ 私の基本方針
私は、住宅ローンについてこう考えています。
金利はできるだけ安く
借りられるだけ長く、なるべく多く借りる
ただし、優遇条件が良くなるなら自己資金は少し出す
なぜそう考えるかというと、
前回の記事でも触れましたが、家を買う人の多くは30代〜40代の子育て世代です。
この時期は思いもよらない出費が多く、現金の余裕がとにかく大事。
ローンを返すことに全力を注いで、いざという時に現金が足りない、では困ります。
無理せず返済できる金額でローンを組んで、余ったら後で繰り上げ返済すればいい。
金利が「もったいない」と思う人もいるかもしれませんが、住宅ローンは日本でもかなり安い金利です。
将来のリスクに備えるコストと考えれば、十分許容できると思っています。
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◆ 最後に
住宅ローンは、「どんな物件を選ぶか」よりも、「どう資金計画を立てるか」の方がよほど重要だと私は思います。
そして、自分のライフスタイルや不安の感じ方に合わせて、金利の種類や借入額を選んでください。
周囲の意見はあくまで参考に。最終的にはあなた自身の価値観で判断することが大切です。
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代表:木村大吉
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【家はいつ買う?】タイミングに悩んだら読んでほしい、現場の本音
「家って、買うタイミングってあるんですか?」
これはよくあるご相談です。特に子育て世代の方からのご質問が多いのですが、私の経験上、家の購入時期に“正解”はありません。
でも、“判断の軸”ならあります。
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■ なぜ今、家を買う人が多いのか?
まず、実際に家を買っているのはどんな人が多いか?
私が対応してきた中で一番多いのは、
年齢:30〜45歳くらい
家族構成:既婚・子育て世代
職業:サラリーマン(会社員)
です。
なぜこの層が多いのかというと、家族が同時に暮らすタイミングこそが「戸建住宅の必要性が一番高まる」時期だからです。
そしてこの層は、住宅ローンも比較的組みやすい。
一般的に、ローン審査の通りやすさはこう言われています:
> 公務員 → サラリーマン → 会社役員 → 個人事業主
驚くかもしれませんが、中小企業の社長よりもサラリーマンの方が住宅ローンを組みやすいケースが多いのです。
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■ 家は“道具”だと考える
私は「家=夢」よりも「家=道具」と考えています。
家族がいない時期に大きな家は必要ないし、老後にも広い家は同じく負担になることがある。
だからこそ、家族が一番同時に暮らす“今”が、一番必要なタイミングかもしれません。
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■ いくらぐらいの物件が妥当なの?
よく聞かれる質問の一つです。
「年収の〇倍が適正」という話もありますが、私はそれよりも、
> “今の家賃と比べてどうか”で考える方がリアルです。
今の家賃はキツい?
それともまだ頑張れる?
無理せず払える範囲を明確にしておくと、物件選びが具体的になります。
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■ 最近、物件が高く感じる理由
「最近、家って高くないですか?」
確かにそう感じる方は多いです。
でもその背景には、
建材価格の上昇(ウッドショック、戦争の影響)
土地価格の変動(コロナ前後の差)
人件費や物流費の高騰
といった、個人ではどうしようもない外的要因があります。
私自身、数年前にアパート建築の支援をした際、今同じ内容で建てようと思っても、もう同じ価格では不可能です。
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■ それでも「買うべき」タイミングとは?
必要で、ローンが組めて、月々の支払いが家賃と同程度かそれ以下なら、私は買います(実際に買ってます)。
「使えば元が取れる」
これが私の考え方です。
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■ まとめ 〜タイミングは“ライフステージ”が教えてくれる〜
人生には「家が必要になる時」があります。
それは必ずしも市場の“底値”ではなく、**あなたやご家族の暮らしにとっての“最適な時”**です。
買おうかどうか迷ったら、お金のこと、ライフプラン、ローンのこと──一緒に整理しながら考えてみませんか?
あなたにとっての“ちょうどいい”タイミングを、一緒に見つけましょう。
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