住宅ローンの不安と向き合うために 〜固定?変動?金利の話〜
家を買おうと思ったとき、多くの方が最初につまずくのが**「住宅ローンの選び方」**です。
その中でも特に多いのが、**固定金利にすべきか?変動金利にすべきか?**という悩み。
今回は、私自身の体験と、これまでの現場で得た知見を交えて、住宅ローンの考え方を整理してみたいと思います。
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◆ 固定金利と変動金利、どちらが正解?
結論から言うと、正解はありません。人によります。
私がまだこの業界に入る前、住宅ローンを変動金利で組みました。
同じタイミングで、従兄弟は固定金利を選んでいました。
金利に4倍もの差があったため、「なんでそんな高い固定金利に?」と、率直に聞いてみたことがあります。
彼の答えはとても印象的でした。
> 「不安を抱えて金利が安い変動より、将来の見通しを立てやすい固定に“安心料”としてお金を払ってる。それに価値を感じるんだよ。」
若かった私は、自分の価値観がすべてじゃないことを実感しました。
その後、業界に入ってからは借換のノウハウも身につけましたし、書類の扱いにも慣れています。でも、私は今でも変動金利のまま借換はしていません。
つまり私の場合、「変動でも不安がない」ので変えていないだけです。
あなたにとっての「不安」と「安心」の重さ次第で選ぶべき金利は変わるのです。
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◆ 金利はなぜ人によって違うの?
よく「住宅ローン金利は今2.6%くらいです」と聞いて、「え?自分0.5%なんだけど?」という声もあります。
これは実は**「優遇金利」**の仕組みです。
住宅ローンの金利は、「表面金利」から「優遇幅」を差し引いて決まります。
例えば、優遇を大きく受けられる人は0.5%で借りていたりします。では、どういう人が優遇されやすいか?
◎ 優遇を受けやすいケース
職業:公務員 > サラリーマン > 会社役員・個人事業主
自己資金が多い人
借入が少ない人
安定して高めの収入がある人(目安として年収400万円以上)
住宅ローンはあくまで「貸す側の目線」で審査されます。
そのため、羽振りが良くても収入申告が少ないと不利になります。逆に堅実な申告をしている方が、スムーズに通ることが多いです。
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◆ 住宅ローンを組みにくい人とは?
以下のような場合、ローン審査は厳しくなりやすいです。
✕ 借りにくくなる要因
転職したばかりで、収入の実績がまだない
健康に問題がある(団信の加入が難しい)
高額のローンや借金がある
申告している年収が極端に少ない
過去に債務整理など信用事故がある
家購入直前に高額なローン(車など)を組んだ
特に健康状態は重要です。住宅ローンでは「団体信用生命保険(団信)」への加入が基本。病歴や持病があると、この団信に加入できず、ローン自体が難しくなるケースもあります。
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◆ 私の基本方針
私は、住宅ローンについてこう考えています。
金利はできるだけ安く
借りられるだけ長く、なるべく多く借りる
ただし、優遇条件が良くなるなら自己資金は少し出す
なぜそう考えるかというと、
前回の記事でも触れましたが、家を買う人の多くは30代〜40代の子育て世代です。
この時期は思いもよらない出費が多く、現金の余裕がとにかく大事。
ローンを返すことに全力を注いで、いざという時に現金が足りない、では困ります。
無理せず返済できる金額でローンを組んで、余ったら後で繰り上げ返済すればいい。
金利が「もったいない」と思う人もいるかもしれませんが、住宅ローンは日本でもかなり安い金利です。
将来のリスクに備えるコストと考えれば、十分許容できると思っています。
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◆ 最後に
住宅ローンは、「どんな物件を選ぶか」よりも、「どう資金計画を立てるか」の方がよほど重要だと私は思います。
そして、自分のライフスタイルや不安の感じ方に合わせて、金利の種類や借入額を選んでください。
周囲の意見はあくまで参考に。最終的にはあなた自身の価値観で判断することが大切です。
【株式会社ケイザン】
代表:木村大吉
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