「情けは人のためならず」さえ分からない人
今回の大災害に対して、ありがたいことに世界各国から支援が、それも発展途上国からも多くの支援が届いています。
日本が過去に行ってきた、「援助」や「低利子融資」、現地への積極的な投資が、回り回って予期せぬカタチで返ってきたのでしょう。
全く「情けは人のためならず」ですね。
他人への親切は、相手のためだけではなく(無駄にならず)結局は、自分の所へ返ってくるというのが原義ですが、最近ではなんと、
「情けをかけることは、相手のためにならない」
こう間違った使い方が、結構な頻度でなされているようです。
ずっと以前「役不足」について言及しました。
これは、例えば若い人や経験不足の人が、重い役に任ぜられた時に、使われることが多いですね。
「そんな大役、私には役不足です」などという風に。
完全な間違いでしょう。
「役不足」というのは、一流の俳優に対して、「通行人A」の役をしてもらうというように、その人に対して、用意した役が物足りないという解釈が正確な訳で、これを完全に逆に誤用している人、結構おられます。(まあ、役者不足だったら、ぎりぎりOKでしょう)
不思議に思うことは、「なぜ検証しないのか?」ということですね。
不動産関係では、法律を発布するときに「施行」という言葉を使います。読み方は「しこう」です。
で、工事なんかを開始するのは「施工」で、読み方は「せこう」ですけれども、社会的地位が結構高い人でも、法律を「せこう」と言う。
間違いは、やっぱり間違いです。
別に、恥をかくのは本人の勝手ではありますが、同席した「検証の手間を惜しむ人々」は、同じように「しこう」と言うでしょう。
そうやって、どんどん誤用が広まる。
「貼付」(てんぷ)を「ちょうふ」と読むなど可愛いものです。
或いは「宮内庁御用達」を「くないちょう ごようたつ」と読むのも、まだ可愛い方だと言えるでしょう「くないちょう ごようたし」がもちろん正しい読み方ですけれども、、、、、、
他人様に物事を伝える場合には、「出典や根拠」が求められる。
個人的なブログであっても、一般に対して発信する以上、それなりの正確性を期する責任というものがある訳で、ちょっとでも「正しい表現か?」疑義が生じたら、必ず検証するようにしています。
世の中には、「頭に浮かんだことを、フィルターに掛けずに、そのまま口に出す」あるいは「そのまま発信する」人がおられますが、立場によっては、最悪職を失う。
大阪府議会議長など、その典型でしょうね。
震災を「○○の恵み」と失言した。
ご存じの人も多いでしょう。
単に、行政組織の移転について影響があるだけの事なのに、選んだ言葉が悪すぎるのか?
いえいえ、この人の場合は「言葉の選択」がない訳です。
頭に浮かんだことを、そのまま言っただけ。
その程度の人が、議長職にあることも府民にとっては悲しいですね。
全国各地で、「議員先生」が飲酒運転の上に辞職している事を思えば、大したことではないのかもしれませんが、、、、、
ただ、こういう先生方にかける「情け」は持ち合わせていません。
コメント一覧*
No.5539 防犯委員さんのコメント 2011/11/18 9:49:43
コメントとご指摘ありがとうございます。
何事も「思い込み」ではなく、調べると良いようですね。
No.5533 久御山さんのコメント 2011/11/17 18:05:47
■施行 「せこう」は、法律関係の方がよく使う言い回しのようです。
http://www.nhk.or.jp/bunken/summary/kotoba/gimon/024.html
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/123981/m0u/
■貼付 「ちょうふ」が本来の読みのようです。
http://dictionary.goo.ne.jp/leaf/jn2/144797/m0u/
■御用達 「ごようたつ」が本来の読みのようです。
http://www.web-nihongo.com/dictionary/dic_qa/dic_qa_index.html#11
「現代の標準的な言い回し」としては、ブログ主様のご指摘通り「しこう」「てんぷ」「ごようたし」でよろしいかと思います。
当たり前と思っている言い回しでも「出典や根拠」を求めてみると、意外な事実が分かる事もあって面白いものです。
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