2015/07/02 9:15:55
ためになった「抵当権」の話
重説を書く立場であれば、賃貸借の場合賃借人は「抵当権が実行され、新所有者から明け渡しを求められたら6ヶ月以内に明け渡す義務」があることぐらい、誰でも知っているお話です。
が、これは「賃借人の立場」から見た場合のこと。
一昨日の宅地建物取引士更新講習で、最後の土地家屋調査士の先生は実際の事例に沿ってお話されたのですが、その中で
「抵当権は設定当時の状態で判断し、金額も決めたのだから、新所有者は抵当権設定当時の状態に戻してくれ!という権利がある」
というお話をされました。
何を、当たり前のことを、、、と思う方もおられるでしょう。
けれども、通常業務で「住居等の賃貸借」を主要業務にしていると、どうしても「借主視点」でお話をし、法的な思考をする傾向になってしまいますね?
貸主のことも考慮しますが、「抵当権者」までは思い至らない。
私もどれほど賃料が安かろうと、必ず「登記事項証明」を取得して「乙区」を確認しますが、まぁ債権回収機構に抵当権が移っていたら「危ないなぁ」と思う程度です。
まして、この不景気にテナントさんが入っている方がありがたいので、抵当権が実行されることなど希だと思うし、現実も同様でしょう。
しかし、これからもそうだとは、誰にも言えない。
今回の抵当権者・新所有者側に立った観点は、目からウロコでした。
役人のつまらない講義(法定研修とか)もあるけれど、中にはありがたい講師の先生もおられる訳です。
ほんと、実のある更新講習でした。
お問い合せ