登録文化財 説明スピーチ
私はいの町で非常に魅力的な蔵とであいました。その場所は仁淀川の近く、国道33号線いの病院を北に30m程の所にあります。すぐ近くには和紙の商家を一部改造した喫茶土居があります。
どのように魅力があったかを三点にまとめてご報告いたします。まずは、@建物のよさ。A次に、敷地。B最後に地域の文化。というキーワードです。
まず、第一の建物のよさですが、写真は東面の押し縁下見板張りの外壁です。その他の面は漆喰仕上げで水切り瓦付きです。内部は、15cm角の柱材が半間置きに配置され、屋根の母屋も同じ15cm角で、丸太小屋の末口は30cmあります。
仕上材としては、天井は垂木見出しで内壁は漆喰、床は45cm巾の板張りです。二階の床は一階の天井というものです。ただ、一階床にはたわみがひどくありました。所有者に聞きますと、その後に束基礎の補修工事を行ったとの事です。
この所有者は、大変管理の行き届く方ですが、一階南に荒壁の落下が1m四方あり、小舞竹3cm巾が見出しになっています。「これにボードを張って補修しようか」とおっしゃいましたので、せっかくの建物ですので元の仕上げ材がいいですよと答えたものです。
補修に関連して、二つ目のキーワード「敷地」に関わることですが、西道路に面した間口が狭く、東西の奥行が深い敷地に分棟式で、主屋、客殿、水周り、蔵の四棟の建物があったとの事です。
西端の蔵より古い築120年程の建物は雨漏りのため、解体を余儀なくされたとの事でした。私が始めてみた時は、屋根にブルーシートがかかっておりました。今は、解体されて、駐車場になり、客殿までの通路庇の横に玄関がつくられています。
次の平屋建て建物は、客殿で昭和三十年代に改築されたとの事。(上田設計)この屋根は最近葺き替え工事を終えていました。(村山かわら) HMでの村山様の講義の折に、所有者が熱心に聴講している姿が印象的でした。
配置での特色は、東屋根門から外に出た所に石積み擁壁と石の階段があり、川に下りることができます。それは、水を利用した当時の生活を想像させるもので、この地域独特の文化が漂っているようです。
三つ目キーワード、地域の文化は、この建物全体を川の対岸から見ますとよくわかるものです。また、その周辺を見ますと最近の建物の中に部分的にのこる古い建造物がみられます。その一つ一つが、いの町独特の文化を語っている様です。
また、書類も残されている様で、すでに伊野町伝統的建築物群町並みとしてまとめられた文書がある事を最近知りました。これなどはこれから先の資料になると思っています。
本日は、魅力ある蔵について、建物、敷地、地域の文化というキーワードでご報告しました。
フェースブック -1
今日もFB(フェースブック)を開けてみる。何となく友人がどこで何をしているのかの投稿に目を向ける。そして、「いいね」を押す。時には、一言コメントを送る。こうした日常をふと思い返してみた。
登録して六年目に入り、友人数が増えた。今年1400人を超したから自然に疎遠になっている友人も多くなっている。忘れていた友人から「いいね」や一言メッセージを受けるとなんともいえない嬉しさもある。
どうしても、友人が増えるとネット上とはいえ、お付き合いもままならなくなる。こういう事は、日常でもよくあるだろう。全ての友人と深い関わりができるものでもない。だからこういう違いはあまり深くは考えないのだが、どうもネット上と日常では明らかな違いがある様だ。
ネット上でどんどん友人が出来て、その結果、自分がよく知らない分野の様子も伝わってくる。この速度と広がりは日常とはまったく異なる世界で、同じ様に友人数の増え方もまったく違っているようだ。
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