文化財保護
中古住宅の査定は業務として行なっている。同じ事をしてもボランティアとなるような研修に参加してきた。古い建物を文化財として残して行こうという主旨のFM「ヘリテージマネージャー」養成講座に席を置いているのである。
半年に渡る研修は、二十五回の、指定された土曜日ごとの午後五時間の講義を聞き、内容のレポートや自ら三箇所の建物を選んで資料化するという課題もついているというもの。
実は、昨年席をおいたのだが、大口の業務があり、三ヶ月かかりきりになったため、長期欠席をした。欠席分は次年度に受講しないとFMの資格が与えられないので、今年は補修を受けているというもの。
今年の第七回は、この十月二十九日に高知県香南市山北の「重要文化財 安岡家住宅主屋ほか五棟の保存修理」現場の見学だった。講師は、現場監督で講義と現地見学と説明さらに、実習を行なった。
内容は、保存修理事業の行なわれている現場をみながら細かく確認していくというもので、一番関心したのは、床の傾きがあるための調整として、床下束石と床束材の間に鉛を使う工事で、この鉛は束材と同じ寸法で、厚さの違うものを使っていた点だった。初めて知った事であり、実務での検査や改修工事とはまったく違う事に驚くばかりだった。
家柄の格があがるにしたがつて、増築されたようで、今の復元をどの時代の間取りにするのかという検討とひとつひとつの材を一定の年代の工事に特定していくという気の遠くなる作業に関心した。
文化財保存の奥深さを垣間見た体験となった。
ちなみに、建物群の改修工事費用は五億円を越すとの事。しかも、この先七億以上 になるとの事にもカンシンした。
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